怒りの殴り書き(笑)。
いくらなんでも、古森義久は酷過ぎる。
右翼とか、左翼とか、「それ以前」の問題である。
これで、プロのジャーナリストを名乗るのは勘弁してほしい。
米国で出てきた「もう韓国を助けるな」の声 「北朝鮮の脅威は韓国に任せればよい」と保守派の論客 | JBpress(日本ビジネスプレス)
2017.4.19(水)古森義久
「米国が朝鮮半島の危険な情勢に関与する必要はもうない。韓国との同盟を解消して、在韓米軍も撤退すべきだ」――こんな過激な主張の論文が米国の大手外交雑誌に掲載された。ソ連の巨大な脅威が存在した東西冷戦時代ならば米国の朝鮮半島関与は意味があったが、今は北朝鮮の脅威は韓国に任せればよい、とする孤立主義に近い主張である。
(略)
米国の大手外交雑誌「フォーリン・ポリシー」4月号は「アメリカはもう韓国を解き放つ時だ」と題する論文を掲載した。筆者は異色の保守派論客であるダグ・バンドウ氏である。同氏は国際問題を専門とする研究者であり、レーガン政権で大統領補佐官を務めた経歴を持つ。現在はワシントンの老舗研究機関「ケイトー研究所」の上級研究員として活動している。
もし「ケイトー研究所」が、アメリカの代表的な意見になるのなら、
「日本国民の総意はホリエモン」と言ってるようなもんだ(笑)。
ケイトー研究所は、無視できないが、大勢力でもない、非常に特殊な政治勢力のシンクタンクなのだ。
米国で出てきた「もう韓国を助けるな」の声 「北朝鮮の脅威は韓国に任せればよい」と保守派の論客 | JBpress(日本ビジネスプレス)
バンドウ氏もケイトー研究所も基本的なスタンスは、個人の自由を最大限に求め、政府の役割を極端に小さくすることを主張する「リバタリアニズム」(自由至上主義)系の思想である。「小さな政府」を主唱するという点では、保守主流派と主張が重なっている。リバタリアニズムは、外国との同盟などを減らす孤立主義を説くことも多い。
彼らの目標は、軍隊、警察、裁判所くらいを残して、教育だの、インフラ整備だの、エネルギー政策だの、雇用対策だの、今ある他の役所は全部解体せよ、という考え方(ミナーキズム=最小国家論)なのである。
ドル札を印刷している連邦制度理事会(日本で言えば日本銀行)も解体・廃止すべきだという意見である。金本位制復古主義も唱えたりする。
これがもっと進めば、
軍隊は、人民の義勇軍(アメリカ憲法修正第2条)や民間軍事会社、
警察は、ロボコップと賞金稼ぎ、
裁判所も、民間仲裁ビジネス、
それぞれ「民営化」して、国家自体を廃止する、「アナルコ・キャピタリズム=無政府資本主義」まで行きつくのである。
確かに魅力的な考え方だが(笑)、こんな過激思想がアメリカ人およびアメリカ政府関係者の総意であるはずがない。
米国で出てきた「もう韓国を助けるな」の声 「北朝鮮の脅威は韓国に任せればよい」と保守派の論客 | JBpress(日本ビジネスプレス)
現実的には、米国が韓国から、さらには朝鮮半島から離脱する可能性はきわめて低いとはいえ、いまの米国内にはこんな主張があることも知っておくべきだろう。
一般的日本人、および一般的ネトウヨが、アメリカの政治事情に詳しくないのをいいことに、アメリカでもかなり特殊な意見を、さもアメリカの有力意見であるかのように紹介するのは、誠実なジャーナリズムなのだろうか?
日本のネトウヨ・嫌韓派が喜びそうな部分だけをフレームアップして、PVを稼ぐのが、日本の公器(だよね?)産経新聞に籍を置く人間のやることなのだろうか?
あ、誤解の無いように明記するが、
ダグ・バンドウは「韓国を見捨てろ」とは書いていない、のではない。
ダグ・バンドウは「韓国を見捨てろ」と、ちゃんと書いている。
だから、古森義久は、ウソをついたのではない。
しかし、古森義久は、日本人にとって、韓国の命運なんかよりもはるかに重要な、死活的な部分を、わざと、故意に、省略してるのだ。
私が間違ってるか?古森義久が間違ってるか?は、
"Doug Bandow Japan"
でググってみれば、すぐに判る。
一部を紹介しよう。
Bring U.S. military forces home from Okinawa | The Japan Times
BY DOUG BANDOW JUN 15, 2016
ジャパン・タイムズ
知ってる人は少ないかもしれないが(笑)、オキナワにあるのは「在韓米軍」ではない。「在日米軍」を撤退させよう!という主張なのだ。
No One Benefits From U.S. Presence In Japan | Cato Institute
By Doug Bandow February 9, 1998
ケイトー研究所
「日本におけるアメリカの(軍事)プレゼンスは、誰の利益にもなっていない」
Japanは韓国という意味ではない。日本という意味である。
日本におけるアメリカ軍が無意味だという主張なのだ。
日本語もあった。
アメリカはアジアの核の傘を閉じるべきだ | Doug Bandow
Doug Bandow ダグ・バンドウ ケイトー研究所シニアフェロー
2016年06月27日
アジアには、韓国だけでなく、日本も含まれる。
これでも、日本のネトウヨさんにとって、喜ばしい主張だろうか?
つまり、ダグ・バンドウというアメリカのリバタリアンにとっては、東アジアは東アジアであり、一切合切、日本も、韓国も、おそらく、北朝鮮も、支那も、フィリピンあたりも、全部一緒くたなのだ。
当たり前の話だが、彼は日本人ではない。
だから日本と韓国を厳密に分けて考えるような人間ではないのである。なぜなら、彼の立場(小さな政府)からすれば、日本と韓国に何の違いもないからだ。
「韓国を見捨てよう」ということは、当然「日本を見捨てよう」「東アジアを見捨てよう」ということになる。
「韓国は嫌いだが、日本は大好き!」なんていう(どこかの国民にとってだけ)都合のいい人間ではないのだ。
彼の大意は「東アジアのもめごとは支那に任せよう」ということであり、つまりは「支那による東アジア覇権」を黙認する態度なのである。
彼のようなアメリカのリバタリアンは、アメリカ連邦政府ですら解体しようとする過激派なのである。
そんな思想家集団が、日本国家や日本民族の行く末の心配をしてくれる道理がないのだ。
古森義久は、そういう(かなり特殊な、しかし冷徹な)アメリカ人の意見を、日本人にとって重要な部分を隠して、嫌韓感情を喜ばせるような加工して、PVを稼ぐわけだ。
もちろん、古森義久はこう反論するかもしれない。
『いやいや、私はダグ・バンドウの「韓国を助けるな」という意見を紹介しただけで、彼が「日本だけは助けよう」と主張している、とは紹介していないよ。「韓国、だけは、助けるな(つまり日本は助けよう)」と勝手に【誤読】するのは、読者の自己責任ですよ』
とか言い出しそうである(笑)。
インチキ通販じゃあるまいし(笑)、そんな商法は倫理的に如何なものか?
プーチンのロシアとズブズブのトランプを批判しない、頭髪以外も不思議な保守派・愛国者・共和党信者・古森義久。 - 在日琉球人の王政復古日記