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在日琉球人の王政復古日記

NATION OF LEQUIO

ベネズエラ社会主義(サンダース、トランプ)VS共和党ネオコン&リバタリアン~『肩をすくめるアトラス』アイン・ランド(笑)。

こういう記事は、出てくる人物や単語を調べると、さらに興味深い。

 

「国家崩壊」寸前、ベネズエラ国民を苦しめる社会主義の失敗 | ワールド | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

2016年5月19日

マーク・ペリー(米ミシガン大学教授)

 原油の確認埋蔵量で世界一を誇るベネズエラの経済が、長年の社会主義政権のつけで崩壊寸前の危機にある。「経済的崩壊」が現実味を帯びてきたと言っていい。以下に、ベネズエラの状況を伝えた各メディアのレポートを紹介する。

1. ベネズエラ経済は、風が吹かれるクレーンのようなものだ。いつ倒れてもおかしくない。原因はただ一つ、同国の徹底した社会主義体制だ。米大統領選の自称社会主義者、バーニー・サンダースと彼の支持者が、なぜ身近にある社会主義の末路を気にも留めていないのか不可解だ。

 信じられないことだが、原油の埋蔵量で世界一のベネズエラが、今や原油を輸入している。ノーベル経済学賞を受賞したミルトン・フリードマンはかつて「もし社会主義政権にサハラ砂漠を管理させたら、すぐに砂が足りなくなる」と語ったが、ベネズエラの状況はその説明にぴったり当てはまる。

 

  社会主義政権の下、食料やトイレットペーパー、紙おむつ、薬などのあらゆる必需品の不足も深刻を極めている。すべて政府による計画経済や通貨統制、物価急騰が原因だ。

 IMF国際通貨基金)によると、社会主義体制下の18年間に政府が浪費を続けたおかげで、ベネズエラのインフレ率は720%に達する。凶悪犯罪の発生率も世界最悪で、メキシコのNGOが発表した「世界で最も危険な都市ランキング」では首都カラカスがワースト1位になった。(2016年2月5日付「インベスターズ・ビジネス・デイリー」)

『肩をすくめるアトラス』の世界
2. 「飢えをしのぐために犬や猫、鳩狩りをする国民:ベネズエラでは経済危機と食料不足で略奪や動物狩りが横行」。(2016年5月4日付「パンナム・ポスト」見出し)

3. ニコラス・マドゥロ大統領が、操業を停止した工場の差し押さえや経営者の逮捕など、政府による取締りの強化を表明。(計画経済に移行したアメリカが衰退していく模様を描いた)アイン・ランドの小説『肩をすくめるアトラス』が現実に。(2016年5月15日付BBCニュース)

4. 「瀕死の乳児にも投与する薬なし:機能不全に陥ったベネズエラの病院」

 ベネズエラでは経済危機の影響で命を落とす人が後を絶たない。とりわけ医療が危機的状況にある。ニコラス・マドゥロ大統領はついに経済緊急事態を発令し、国家崩壊の懸念もささやかれ始めた。

 医療現場は経済危機の影響をもろに受けている。治療に必要な手袋や石鹸がなくなる病院も出てきた。がん治療薬は闇市場でしか手に入らなくなってきている。電力不足も深刻で、政府は節電目的で公務員の出勤を週2日に制限した。(5月15日付「ニューヨークタイムズ」日曜版)

5. 「社会主義」とは、ベネズエラの惨状を伝える報道写真が象徴するように、衛生状態が最悪な手術室や壊れた保育器、血だまりの中で横たわって治療を待つ患者、抗生物質が手に入らないために命を落とす犠牲者など、国民を悲惨な結果へ導く精神的な毒を指す。

 これに対し「民主社会主義」とは、社会の一握りが富を独占していると不公平を訴えることにより、富を富裕層から合法的に盗むことを指す。社会全体の貧困化させることによって格差是正が達成される。政府に権力を集中させ、民間企業や個人の権限を抑え込む。(5月16日付ウォール・ストリート・ジャーナル」、ブレット・ステファンズのコラム)

6. 過去数十年間でベネズエラから国外へ逃れた医師の数は1万3000人に上ると推計される。医師不足解消の助け舟としてキューバ政府がベネズエラに医師を派遣したが、派遣されたキューバ人の医師たちは、ベネズエラからコロンビア経由でアメリカを目指す始末だ。だがそうなるのも無理はない。ベネズエラでは医師も診療報酬を減らされ、料理に使う油や食料品を購入するのもままならない状況なのだ。(4月26日付「リーズン」)

7. ベネズエラでは急激な物価上昇に対応するため貨幣を増刷しようにも、そのための紙代を支払う資金すらない。(4月27日付「ブルームバーグ」)

8. 食料不足で苦しむベネズエラでは、食料品店を狙った略奪が日常茶飯事だ。(ロイター/ビデオ)

9. ベネズエラ原油埋蔵量が世界一であるにも関わらず、政府が国民の生存に必要な食料や医薬品すら供給できない事態に陥っている。(CNN)

稼いだ外貨を使いきった指導者
10. ベネズエラの経済危機は、1990年代末から続くウゴ・チャベス前大統領とニコラス・マドゥロ現大統領による社会主義政権が掲げた約束がイリュージョンだったことを露呈している。

 外貨収入の96%を原油に依存しているベネズエラでは、原油価格が高かった時代には、住宅環境や食料供給の改善、賃金上昇や福祉の充実によって国民も恩恵を感じることができた。

 だがベネズエラ政府は持続可能な経済への構造転換に失敗した。せめて石油で潤った外貨収入を蓄えておけば2014年に始まった不況による影響を多少なりとも抑えられたであろうに、政権はそれすらばらまき政治に利用した。(5月17日付「ニューヨークタイムズ」社説、ベネズエラの経済危機の元凶は社会主義体制だと批判して

──ニューヨークタイムズはさらに、ベネズエラの殺人発生率は一日当たり52.2人、約28分ごとに一人が殺害される計算だと指摘している。

 チャベスマドゥロによる社会主義政権の終焉が近いことはしばらく前から明らかだった。それにも関わらず、左派の論客のなかにはつい数年前まで、チャベスベネズエラの経済政策を全面的に支持する意見があった。以下に興味深い例を2つ紹介する。

11. デービッド・シロタは「ウゴ・チャベスによる経済の奇跡」とした記事の中で、チャベスの経済政策を絶賛した。(2013年3月6日付「サロン」)

12. 左派寄りの経済学者マーク・ウェイスブロットは、ベネズエラの経済政策に対する批判に反論して「ベネズエラ経済はラテンアメリカ版の(財政破綻の危機にある)ギリシャではない。ベネズエラの経済的崩壊はあり得ない」と主張した。(2013年11月7日付「ガーディアン」)

Mark J. Perry is concurrently a scholar at AEI and a professor of economics and finance at the University of Michigan's Flint campus.

 

記事を書いた、マーク・ペリー・アメリカ・ミシガン大学教授は、「AEI」の研究員でもあるようだ。

AEI(アメリカン・エンタープライズ研究所)は共和党ネオコンシンクタンク

ネオコンとは、アメリカの経済力と軍事力で全世界を管理すべきだ。中東でも南米でもロシアでも支那でも、社会主義的、反米的、反資本主義的、反民主主義的、反グローバリズム的、反キリスト教的、反イスラエル的な政治勢力は潰すべきだ。という外交タカ派の政治思想。

おそらく、ペリーさんもネオコンであり、当然共和党支持者なんだろう。

 

彼がこの記事を書いたのは、ベネズエラなんかどうでもいい、とは言わないが(笑)、それ以上に、アメリカ政治、ずばり現状のアメリカ大統領選への不満爆発なのである。

 

米大統領選の自称社会主義者、バーニー・サンダースと彼の支持者が、なぜ身近にある社会主義の末路を気にも留めていないのか不可解だ。 

チャベスマドゥロによる社会主義政権の終焉が近いことはしばらく前から明らかだった。それにも関わらず、左派の論客のなかにはつい数年前まで、チャベスベネズエラの経済政策を全面的に支持する意見があった。以下に興味深い例を2つ紹介する。

  

この記事は、ベネズエラ批判ではなく、アメリカのリベラル批判であり、民主党批判であり、バーニーサンダース批判であり、彼を支持するラジカル・リベラル、プログレッシブ(進歩派、日本でいえばSEALDsっぽい人々)への批判なわけだ。

 

というのも、応援しなければいけないはずの、共和党の大統領候補ドナルド・トランプは、従来の共和党とはぜんぜん違う政策を主張している。

外交政策はアイソレーショニスト(アメリカ孤立主義モンロー主義、EU潰れろ、中東は勝手にやれ、世界なんて知らん)であり、

内政も、おもいっきり大きな政府オバマケア廃止ではなく見直し、インフラなどの公共事業バンバン、最低賃金擁護、低所得者減税、大金持ち増税ウォール街の金融屋を厳しく取り締まり、などなど、

小さな政府、外交タカ派、アメリカによる世界管理支持のネオコン共和党員から見れば、完全に対立する大嫌いなタイプなのである。

 

ポピュリスト・トランプ、民主社会主義者サンダースに比べれば、民主党右派で外交タカ派民主党クリントンが一番マシなくらいである。

 

(まとめ)2016年アメリカ大統領選挙~民主党VS共和党~ワシントンVSラジカルレフトVS宗教保守VSリバタリアンVSポピュリスト - 在日琉球人の王政復古日記

 

ミルトン・フリードマンは、小さな政府、自由市場経済を主張する経済学者。リバタリアンの代表的論客だ。

マルクスなんて問題外、大きな政府ケインズのライバル。日本人に判りやすく言えばのアベノミクスの正反対である(笑)。

計画経済を認めない。公共投資財政出動も認めない。

通貨統制、物価統制も認めない。

ベネズエラの場合は、物価高騰、インフレ、通貨安に苦しんでいあるが、

日本はサカサマに、物価下落、デフレ、円高に苦しむ。

方向は正反対だが、物価や通貨を、人為的に、政府の思い通りに動かしたい、という意味では、ベネズエラも安倍ちゃんもまったく同じことだ。

 

筆者もフリードマンも、ベネズエラ社会主義や、大学授業料無料のサンダースも認めないが、アベノミクスも否定するだろう。

 

(まとめ)アベノミクスは【リベラル左翼】である。 - 在日琉球人の王政復古日記

 

ベネズエラの医療制度は、社会主義政策で、危機的状況で破綻している、と筆者は批判する。

筆者がホントに言いたいのは、アメリカのオバマケアも社会主義だからダメ!、ということだ。つまり彼は、そのお手本である、ヨーロッパや日本の国民健康保険制度も、社会主義的愚策だから認めないのである。

しかし、アメリカの医療制度だって、逆に、資本主義過ぎて、貧乏人は馬鹿高い民間保険に入れないし、医療費が高すぎて病気や怪我でも病院へ行けない。手術も入院も中産階級ですら破産を意味する。

 

じゃあ、筆者のベネズエラ批判は間違っているのか?間違っていない。

ベネズエラだけでなく、日本だけでなく、社会主義的な医療制度は大赤字なのだ。

同時に、アメリカの資本主義的な医療制度は、貧乏人の死を意味する。

社会主義も資本主義も、医療に関しては、どっちも、行き詰っているのだ。

 

ブレット・ステファンズ、といえば、この人だろう。

 

WSJ『原爆が投下されたことを神に感謝しよう』~ヨハネ黙示録『ハレルヤ、彼女が焼かれる火の煙は、世々限りなく立ちのぼる』 - 在日琉球人の王政復古日記

 

原爆投下を神に感謝」というコラムを書いたウォール・ストリート・ジャーナル論説室の副委員長ブレット・スティーブンスだ。発音が違うだけで同一人物と思われる。

調べてみると、彼は、エルサレム・ポストというイスラエルの大手新聞にもいたユダヤ人である。

ユダヤ人だからこそ、ナチスの同盟国・日本への原爆投下を、ヤハヴェの神に感謝したのである。

おそらくは、シオニストであり、ネオコンであり、共和党支持である。

 

ただし、ユダヤ人は基本的にはリベラルが多い。人種差別反対・宗教差別反対だからだ。アメリカでは左過ぎるサンダースもユダヤ人である。

ただし、イスラエルが絡むと話は逆転し、急に右翼になる。

 

ステファンズは、民主社会主義=リベラルの、金持ち増税、格差是正、所得再配分を「個人の財産権への泥棒」だと批判している。

税金=強盗なのだ。

パナマ文書で有名になったタックス・ヘイブン利用者の理屈であり、ホリエモンの理屈である。

 

リーズン」はアメリカの政治雑誌。極端なまでの小さな政府、税金反対、ほとんど無政府に近い主張するリバタリアンのオピニオン誌のようだ。だから同じ共和党ネオコンとも対立するし、もちろんサンダースのようなリベラルとも対立する。

 

ブルームバーグウォール街御用の経済専門メディア。社主のブルームバーグは、一時期、トランプやサンダースの大きな政府路線、外交孤立主義に反対して、無所属で大統領選挙に立候補しようとした、元ニューヨーク市長。

同性愛など社会政策はリベラルだが、税金など経済政策は保守である。当然、ベネズエラ社会主義なんか認めない。

 

マーク・ウェイスブロットは、Center for Economic and Policy Research (CEPR)というシンクタンクを立ち上げた人らしい。クルーグマンや、フランスのピケティみたいな、リベラル経済学者と思われる。

緊縮財政反対で、財政出動派、アベノミクスの味方だと思われる。

プラトーン」「7月4日に生まれて」「ウォール街」「JFK」、ベトナム戦争帰りの左翼映画監督オリバー・ストーンとも付き合いがあるらしいから、リベラルを通り越してラジカル・レフトだろう。

当然、ネオコンの筆者とは、ぜんぜん話が合わない敵同士であると思われる。

 

というわけで、とにかく、社会主義に反対、サンダースに反対、という共通点だけで、他の主義主張はぶつかり合う、ネオコンリバタリアンなど、共和党各派閥の寄せ集めみたいなコラムである。

 

そして最後が、アイン・ランド『肩をすくめるアトラス』だ。

まさに、知る人ぞ知る、まことに厄介な代物だ。

アメリカ政治を語る上では、避けて通れないのだが、こいつは困った(笑)。

簡単にいえば、アンチ社会主義、小さな政府、自由市場経済、財産権絶対、税金反対、リバタリアンのご本尊みたいな女性である。

 

私も、リバタリアン/リバタニアニズムには関心があるし、共感する部分も多いのだが、彼女はなあ、、、ちょっと「アレ」だと思うのだ(笑)。

 

長くなるので、アイン・ランドに関しては、また次の機会に。

 

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