在日琉球人の王政復古日記

NATION OF LEQUIO

デジャヴ~スクープ→宮内庁否定→なぜか後追い報道なし~2016年生前退位→2017年生き方否定ショック。

<陛下>退位議論に「ショック」 宮内庁幹部「生き方否定」 (毎日新聞) - Yahoo!ニュース

2017/5/21(日)
 天皇陛下の退位を巡る政府の有識者会議で、昨年11月のヒアリングの際に保守系の専門家から「天皇は祈っているだけでよい」などの意見が出たことに、陛下が「ヒアリングで批判をされたことがショックだった」との強い不満を漏らされていたことが明らかになった。陛下の考えは宮内庁側の関係者を通じて首相官邸に伝えられた。
 陛下は、有識者会議の議論が一代限りで退位を実現する方向で進んでいたことについて「一代限りでは自分のわがままと思われるのでよくない。制度化でなければならない」と語り、制度化を実現するよう求めた。「自分の意志が曲げられるとは思っていなかった」とも話していて、政府方針に不満を示したという。
 宮内庁関係者は「陛下はやるせない気持ちになっていた。陛下のやってこられた活動を知らないのか」と話す。
 ヒアリングでは、安倍晋三首相の意向を反映して対象に選ばれた平川祐弘東京大名誉教授渡部昇一上智大名誉教授(故人)ら保守系の専門家が、「天皇家は続くことと祈ることに意味がある。それ以上を天皇の役割と考えるのはいかがなものか」などと発言。被災地訪問などの公務を縮小して負担を軽減し、宮中祭祀(さいし)だけを続ければ退位する必要はないとの主張を展開した。陛下と個人的にも親しい関係者は「陛下に対して失礼だ」と話す。
 陛下の公務は、象徴天皇制を続けていくために不可欠な国民の理解と共感を得るため、皇后さまとともに試行錯誤しながら「全身全霊」(昨年8月のおことば)で作り上げたものだ。保守系の主張は陛下の公務を不可欠ではないと位置づけた。陛下の生き方を「全否定する内容」(宮内庁幹部)だったため、陛下は強い不満を感じたとみられる。
 宮内庁幹部は陛下の不満を当然だとしたうえで、「陛下は抽象的に祈っているのではない。一人一人の国民と向き合っていることが、国民の安寧と平穏を祈ることの血肉となっている。この作業がなければ空虚な祈りでしかない」と説明する。
 陛下が、昨年8月に退位の意向がにじむおことばを表明したのは、憲法に規定された象徴天皇の意味を深く考え抜いた結果だ。被災地訪問など日々の公務と祈りによって、国民の理解と共感を新たにし続けなければ、天皇であり続けることはできないという強い思いがある。 

  

天皇陛下の大御心がスクープされると、すぐに宮内庁は否定する。

 

宮内庁、毎日「陛下 公務否定に衝撃」報道を否定 有識者会議意見に不満のご発言「事実ない」 毎日は「十分な取材に基づいている」 - 産経ニュース

2017.5.22
 毎日新聞が21日付朝刊で天皇陛下の譲位に関する政府の有識者会議内での一部意見について、陛下が強い不満を漏らされていたとの記事を掲載したことを受け、宮内庁の西村泰彦次長は22日の定例会見で「天皇陛下のご発言の報道があったが、そうした事実はない」と全面的に否定した。
 毎日新聞の記事は、「陛下 公務否定に衝撃」「『一代限り』に不満」などの見出しで1面トップで掲載。昨年11月の有識者会議のヒアリングで、保守系の専門家から「天皇は祈っているだけでよい」などの意見が出たことに、陛下が「批判をされたことがショックだった」と強い不満を漏らされていたと紹介した。
 また、有識者会議の議論が陛下一代限りでの譲位を実現する方向で進んでいたことについても、陛下は「自分の意志が曲げられるとは思っていなかった」と話し、政府の方針に不満を示されたとしている。
 記事は、陛下のお考えが宮内庁側の関係者を通じて首相官邸に伝えられたとしているが、西村次長は「陛下が(お考えを)話された事実はなく、従って、宮内庁として内閣に報告していない」と重ねて否定。「極めて遺憾だ」と述べた。
 毎日新聞社長室広報担当は「十分な取材に基づいて報道しております」とのコメントを出した。

 

で、ネトウヨの皆さんは、反日毎日新聞ネガキャン誤報!ねつ造!と騒いだわけだが、もし、本当に毎日の記事が誤報だったら、もっと大騒ぎになっている。

 

読売も、日経も、朝日も、後追い記事を書くだろうし、産経はもっと派手に取り上げてるはずだ。

しかし、誰も後追いしない。

 

だいたい産経の「文面の弱さ」で、だいたいの状況は《忖度》(←一度、使ってみたかった)できる。

産経記事のほとんどの部分は「毎日はこういう記事を書きました」という、毎日記事のコピペだ。

そして「宮内庁は否定しました」と、たった1行。

しかも最後は、毎日新聞の言い分を、そのまんま1行。

つまり、宮内庁毎日新聞の扱いが同等なのだ。

  

ライバルである左翼・毎日の誤報?!、なんていう美味しいネタなのに、産経の態度度は消極的過ぎである。まるで「書いてくれ、と指示されたんで、一応書いておきました」と言わんばかりである(笑)。

というか、よーく読めば、産経は毎日を批判していないのだ。

 

そして、宮内庁だって、直接には毎日新聞に抗議もしていない。

ホントに陛下の御言葉をねつ造されてたら、抗議もしない、ワケがない。

 

朝日新聞なんて、歌舞伎関係者の「発言のネジ曲げだ!」という抗議に対して、ちゃんと陳謝しているくらいだ。

 

異なる文脈でコメント引用 朝日新聞陳謝 新作歌舞伎の記事で関係者「絶望感味わった」(楊井人文) - 個人 - Yahoo!ニュース

【ファクトチェック】朝日新聞は5月15日付朝刊で「新作歌舞伎 さらに進化」と題した記事を掲載した。この中で「歌舞伎大向弥生会」幹事の堀越一寿さんが、新作歌舞伎に疑問の声をもつ人としてコメントが引用されていたが、将来への期待を込めた意図と異なる文脈で配置されたとして抗議。同社が堀越さん本人におわびしていたことがわかった。同社は訂正は見送り、「今後の紙面づくりに生かしていく」としている。

 

たかが「平民」に対してさえこの態度である。

聖上に対して、もしお言葉をネジ曲げてたら、ノーアクションのわけがない。

 

スクープ→宮内庁否定、この流れに、既視感はないか? つい去年の話だ。

 

天皇陛下 「生前退位」の意向示される | NHK「かぶん」ブログ:NHK

2016年07月13日 (水)
天皇陛下が、天皇の位を生前に皇太子さまに譲る「生前退位」の意向を宮内庁の関係者に示されていることが分かりました。数年内の譲位を望まれているということで、天皇陛下自身が広く内外にお気持ちを表わす方向で調整が進められています。

 

NHKの「生前退位」スクープの、当日に、宮内庁は否定している。

  

宮内庁次長は全面否定「報道の事実一切ない」 生前退位:朝日新聞デジタル

2016年7月13日
 宮内庁の山本信一郎次長は13日夜、NHKが最初に生前退位について報じた後に宮内庁内で報道陣の取材に応じ、「報道されたような事実は一切ない」と述べた。宮内庁として生前退位の検討をしているかについては「その大前提となる(天皇陛下の)お気持ちがないわけだから、検討していません」と語った。さらに「(天皇陛下は)制度的なことについては憲法上のお立場からお話をこれまで差し控えてこられた」とも話した。

 

今回と全く同じである。

 

で、生前退位」が、デマだったのか?、ホントだったのか?、スクープがウソだったのか?、宮内庁の否定が正しかったのか?、どっちだったのか?、2017年の皆さんはその真相を知っているのである。

 

そして、あの「平成玉音放送」「三たびの御聖断」の後、

「おいおい、宮内庁はNHKのスクープを明確に否定したじゃないか! 宮内庁は真相を知っていて、あからさまなウソをついたことになる。いったい誰の責任なんだ? 宮内庁か?安倍政権か?」

と、「宮内庁のウソ否定」を追求したマスコミは1社もない。

なぜなら、宮内庁の否定がウソであることなんて、最初から判ってる人は全員判ってる話だからだ。 

 

聖上だって、ご不満を言いたい、民草に知って欲しい。

しかし、ある意味「他者批判」になるだけに、言いっぱなしだと、刺激が強すぎる。影響が大きすぎる。

そこで宮内庁が即座に否定して、衝撃を和らげる。

しかしスクープした新聞社は記事を否定しない。そのまんま情報は流れていく。

 

判る民草にはちゃんと判る。

判らない民草はどうせ判らない(笑)。

 

イロイロと微妙な方面は、イロイロと作法が大変である。