在日琉球人の王政復古日記

NATION OF LEQUIO

#小保方晴子 嬢VS #STAP細胞 (その2)~「左翼革命思想」としてのSTAP細胞。

今年の初め、STAP細胞のニュースを読んだ時、そしてまだ何の疑惑も持ち上がっていなかった頃、私はこういう感想を持っていた。

 

無学文盲な私は、自然科学に対する素養がまったく欠如してるし、何も理解できないのだが、この自然科学上の大発見が事実ならば、政治的に考えるならば「左翼の勝利」としか呼べない(笑)。

あ、「STAP細胞と政治」なんていっても、日本の国益だの、日本人の優秀さだの、そういうどうでもいいハナクソみたいな話ではなく、政治思想の話である。

 

私みたいな門外漢がSTAP細胞のニュースを読んで印象に残ったのは「初期化」という言葉だ。

STAP細胞とは、ある条件化において、細胞の「分化」を止める、止めるどころか「戻す」、つまり細胞の「記憶を初期化する」という事らしい。

つまり、すでに起こった経過を、無かった事にできるわけだ。

 

政治思想には大きく右翼と左翼がある。保守とリベラルという言い方も出来る。
この右翼と保守、左翼とリベラルが完全に重なるとは言わないが、まあだいたいは重なる。

 

右翼や保守とは、歴史や伝統を重視し、急激な変化を望まない。先人の苦闘に敬意を表し、歴史の積み重ねに価値を見出し、先祖の経験を尊重し、安定を求める。

 

左翼やリベラルは、歴史や伝統より理念や理想を優先する。人間は常に進歩するものであり、昨日の先祖たちより明日の子孫の方がより賢明である。変化は良きモノである。

 

人類の歴史を大きく見るならば「左翼が右翼を打ち破る戦いの記録」である。
一時的な逆行はあれど、最終的には新しいモノが古いモノに打ち勝つ。


あれれ? 近年の日本社会の保守化は?、政治の右傾化は?、という反論もありそうだが、そんなのは枝葉の話で、マクロのトレンドでは、世界も日本もドンドン「左翼化」してるのだ。だって今さら「士農工商」や「女人禁制」や「鎖国経済」に戻るわけがないのである。


ただし左翼は「勝ち続ける」とはいうけれど、文字通り「続ける」でしかない。勝ってはいるが「終わり」は見えない。最終的な「左翼勝利で試合終了」はないのだ。

逆にいえば、保守は「負け続ける」が、しょせん「続ける」であり、最終的な完璧な「保守の滅亡」は全然見えない。

 

人類全体というモノを考えれば、その99%はいまだに「保守の領土」である。
左翼の連戦連勝は、しょせん、まだまだ人類全体の1%程度の確保に過ぎない。
個々の勝敗は、圧倒的に左翼の優勢だが、
全体の勢力は、圧倒的に保守の優勢なのだ。

 

なんでそうなのか?と言えば、保守が「過去」に依拠しているからだ。歴史と伝統を占有しているからである。
人間に見える未来なんてもんはほんの一瞬であり、膨大な過去に比べれば圧倒的に短い。
未来に賭ける左翼の根拠は、「量的」には、保守に太刀打ちできないのである。

歴史と伝統とは「時間は一方的にしか流れない」ということだ。 

因果応報。過去の影響から自由な現在なんてもんはない。未来も過去に縛られる。
「一度やってしまったことは取り返しが付かない」という打ち破りがたい事実だ。

 

例えば「人間は生まれながらにして平等であるべきだ」という人権思想=左翼の理念は、いまだに、過去という難攻不落の要塞を打ち砕けない。
Aさんも、Bさんも、誰かの子供であり、親から財産や才能や遺伝子を受け取り、その生まれた時代・風土・環境からさまざまな影響を受ける。何らかの事故や病気で追った肉体や精神のハンデや障害は取り返し様がない。
そのさまざまに能力や思想が異なる人間を、無理やり平等にしようとすれば、結果的には人類共通の平等である「死」の状態にするしかない。
カンボジアポルポトがやったこと、フランス革命の最終結果は、結局そういう事だ。

 

「一度やってしまったことは取り返しが付かない」という鉄のオキテ、歴史の変更不可、つまりは時間の不可逆性が、左翼の前に立ちふさがる。

しかしSTAP細胞である(笑)。STAP細胞は「記憶を初期化」できる。「一度やってしまったことを取り返せる」のだ。歴史を逆転して、時間を逆行するのである。

 

ダーウィン進化論は、革命思想でもあり、保守思想でもある。
生物は進化するが(左翼)、進化の方向は過去の積み重ねである(保守)。
哺乳類は、イルカにはなれても、エラ呼吸する魚類には進化はしない。
ヒトは、サルのような馬鹿にはなれても、生物としてのサルには戻らない。
サルはたとえ空を飛びたくとも、いきなりモンシロチョウには進化しない。
サルの持つ機能の一部を進化させ、一部を退化させて、一歩一歩近づくしかない。

 

「すべての武器を楽器に」とかほざいた、オキナワ知事選にも出てた「純朴=馬鹿」な琉球人ミュージシャンもいたが(笑)、
サルの前肢の機能を進化させたヒトは、腕を使ってモノを器用に操作できる。
ヒトの指はギターも弾けるが、同じ機能はカラシニコフの引き金も引ける。
「すべての武器を楽器に」と願わなくとも、すでに「すべての武器は楽器」であり「すべての楽器は武器」なのだ。
ダーウィン進化論的には、人間社会から戦争が無くなるのは、かなり難しい、ほぼ不可能に近い。そういう結論しか出ない。

 

過去の積み重ね(保守)を無視した進化(左翼)はない。無理な人為的な改造は甚大な副作用を呼ぶ。
ヒトが武器を使えないようにする確実な方法は、全員の両腕を切り落とすことだ。
ヒトから武器を取り上げることは、ヒトからギターやピアノを取り上げることと同じなのである。
ポルポトのやったことはそういう事である。

琉球人ミュージシャン某は単なる「純朴な馬鹿」だが、カンボジアの革命家は「誠実な狂人」であった。

 

もちろん「STAP細胞でヒトをサルに戻せる」と言いたいわけではない。現実の話ではなく【理念】の話だ。
「記憶を初期化」できるということは、歴史を無かったことにできるということで、保守が拠って立つ鉄壁の基盤の無力化、左翼最大の弱点の克服なのである。
「記憶を初期化」できるということは、AさんもBさんも、親や環境から受け継いだ「今更どうにも変更しようがないモノ」を排除することができることを意味する。

 

たとえば、ポルポトさんが人間平等化計画を実行して、たとえ無残な失敗に終わっても、記憶を初期化して何度でもやり直せばいい。

過去の失敗の記憶も消去できるわけで、細胞を廃棄することなく、人間を殺すことなく、何度でも革命実験が可能になる。
もし失敗したら、また無かったことにして、最初からやり直される革命・・・まさに無間地獄であるが(笑)、左翼革命思想の理想郷である。

 

・・・一般の方々には理解不能だと思うけど、まあ科学を理解しない狂人のタワゴトということで(笑)。

 

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