在日琉球人の王政復古日記

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法VS人間~婚外子相続を批判するインチキ保守は単なる馬鹿サヨク(その2)~東京裁判批判、女系天皇批判との矛盾。

婚外子相続を批判してる「インチキ保守」は単なる「バカサヨク」である(その1)~亡国憲法下の新民法が「日本の伝統」(笑)??? - 在日琉球人の王政復古日記

の続き。

 

前近代の日本、つまり大東亜戦争に負ける前、アメリカに占領される前の日本では、もしも正妻の子が女子ばっかりで男子がなく、側室や妾に男子があれば、つまり男子の嫡出子がなく、男子の婚外子がいれば、婚外子家督を相続することも十分ありえた。

 

日本の伝統では【嫡出子か?婚外子か?】の区別より、【男子か?女子か?】、【長男か?それ以外か?】の方がよっぽど重要なのである。

 

戦後日本の相続制度が、「男女平等」で、さらに「奥さん優遇」なのは、占領憲法を押し付けてきたアメリカの男女平等の人権思想、そして近代キリスト教的な「夫婦重視」の思想が背景にある。

儒教的な日本古来の家制度とはまったく思想が異なるのである。

 

日本国憲法 第二十四条
婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。
配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。

  

戦後日本の結婚制度がことさらに「両性」「夫婦」を強調するのは、その背景にアメリカのキリスト教ピューリタン思想があるのだろう。

キリスト教の家族の原型は、旧約聖書創世記にある通り、アダムとイブ=男と女=夫婦なのだ。

 

欧米、特にアメリカにおいて、家族の基本は「夫婦」である。
子供たちは、成人すれば、その家を出て行き、自分の配偶者を見つけて新たな「夫婦≒家族」を作る。最後まで残るのは夫婦の絆なのである。
アメリカでは、家族というモノは、「親と子のファミリー」である前に、まず「男と女のカップル」なわけだ。

 

よって、メイド・イン・アメリカな戦後民法にある、婚外子の相続権を差別・冷遇する思想は、日本の伝統とは何の関係もなく、おそらくはピューリタン的発想が混じっているように思われる。 

なぜならキリスト教では、神の前で結婚を誓った一組の夫婦は神聖なものだからだ。

つまり、メカケだの側室だの浮気だのは許されない。ましてや婚外子は夫婦を神聖視するキリスト教的には「存在してはならない」のである。

 

対して日本は、支那・朝鮮と基本的に同じで、家族とはまず「親子」だ。

もっと正確に言えば「父親と長男」である。

女性である妻・母・娘は、「父親と長男」の単なる付属品にすぎない。

先祖から面々と続く生命の連続性=「孝」こそが最重要である。特に父系・男系の連続性だ。そのために家族が構成される。

 

この思想こそが、現行の皇室典範であり、保守派の皆さんの女系天皇反対の根拠ではないか。

 

婚外子とは「男系」なのである。奥さんとは、配偶者とは「女系」なのである。

 

「男系たる婚外子」を排除して、「女系たる配偶者」に半分も相続させるのは、明らかに「女系天皇」と同じ思想ではないか。

 

「男系絶対!」「女系天皇反対!」なのに、「婚外子は家族制度の破壊だ!」「配偶者を優遇しろ!」・・・支離滅裂である。

 

フェミニズムな敬称【皇后陛下】という名のステルス時限爆弾。 - 在日琉球人の王政復古日記

 

また、日本は支那・朝鮮と異なり、リアルな生物学的な遺伝子的な「血脈」よりも、イエというシステムを重視したので、去年の大河ドラマ平清盛」のように白河法皇落胤が平家の棟梁になることもあった。江戸時代なら息子がいなければ長女に入り婿や養子という方法も取った。 

それでも夫婦を親子より重要視するような思想は日本には一切ない。

 

つまり「お母さんに遺産半分」「残りは長男も次男も長女も次女もみんな均等」なんて制度は、押し付け占領憲法下の戦後日本特有の「アメリカ的制度」「左翼制度」なのだ。「日本」でもなければ「伝統」でもない。

そんな、左翼な、アメリカンな、「非日本的」「反伝統的」相続制度を守ってるくせに、「日本の伝統を守れ」と叫んでいるのは、馬鹿にしか見えないんですけど。

 

もしも、保守派と自負するのならば、日本の伝統を守れというのならば、婚外子がどうのこうのいう前に、

・相続権は長男優先。 

・男子だろうが、次男以下の相続権は廃止または制限。少なくとも長男以下。
・嫡出子だろうが、女子の相続権は廃止または制限。少なくとも長男以下。
・配偶者つまり奥さんの相続権を廃止または制限。少なくとも長男以下。

以上の大日本帝国以前の伝統に復古すべきである。 

これですら前近代に比べて、異常にリベラルだが(笑)。

 

父親絶対、男子優先、母親冷遇、女性無視、、、まるで最近ニュースになるイスラム社会みたいだが、それが近代以前の「伝統」というものだ。
前近代なんて、日本も、イスラムも、そんなに変わらないのである。

 

果たして貴方たちは、自分で「守れ!」と叫んでるモノを、本当に、理解しているのか?
もしも「お母さん優遇」「法律婚の子供はお兄さんも弟もお姉さんも妹も平等」をそのまま放置するならば、日本の伝統なんぞと「ありもしないウソ」はつかずに、「アメリカによる押し付け占領憲法が正しい!敗戦後の左翼的家族制度を守れ!」と正しく主張すべきだ。

それが「日本の保守思想」かどうかは疑問だけど(笑)。