在日琉球人の王政復古日記

NATION OF LEQUIO

法VS人間~デジタル・レーニン主義VS戦う民主主義VSビッグテックVSワイルド・ウエスト

法VS人間~ #英米法 #法の支配 #イギリス経験論 VS #大陸法 #法治主義 #大陸合理論 ~ アキレスと亀 - 在日琉球人の王政復古日記

の続き。

 

アメリカでも、民主党リベラル左派はEUに近い。つまり基本は英米法でも、かなり大陸法寄りだ。

ビッグテック企業の商売の自由より、政府の責任を重視する。

 

バイデン米政権、IT規制強硬派ウー氏を起用-競争政策の特別補佐官 - Bloomberg

2021年3月6日
バイデン米政権は国家経済会議(NEC)でテクノロジー・競争政策を担当する大統領特別補佐官にコロンビア大学のティモシー・ウー教授を起用した。ホワイトハウスが5日発表した。
  連邦取引委員会(FTC)の顧問を務めた経験もあるウー氏は、アルファベット傘下のグーグルやフェイスブックなど巨大IT企業に対し、反トラスト法(独占禁止法)の積極的な執行を提唱する厳しい主張で知られる。
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バイデン大統領は反トラスト法のスターでビッグテック企業批判の闘士リナ・カーン氏をFTC委員に指名へ | TechCrunch Japan

2021年3月23日
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リナ・カーン氏は、巨大テクノロジー企業には規制が必要だとる反トラスト運動のスターだ。カーン氏は、2017年にロースクール在学中に発表した「Amazan社の反トラスト法上の矛盾(Amazon’s Antitrust Paradox)」という論文で一躍有名になった。ここでカーン氏は「独占的と分類されるべき行動」についての基準が、現代のビジネスの手法、ことにハイテク分野の企業行動に大きく遅れを取っていると論じた。
(略) 

  

ここまでは、英米とEUで対立はあれど、自由民主主義=欧米のカテゴリーに入る。

しかし、欧米の外部にも人間は生きている。

 

欧米では、私企業が直接商売に関係ない政治(人権問題、環境問題)にも意見を持つ。

政治家も私企業への不買運動を呼びかける。

 

黒人の投票を制限する「現代のジム・クロウ法」にコカ・コーラやMLBが反対表明 | ワールド | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

2021年4月8日(木)
共和党の重鎮ミッチ・マコネルが「企業は政治に口を出すな」と擁護したジョージア州改正選挙法のからくり>
ジョージア州で先月成立した、有権者の投票行動を制限する法律に対し、企業にも反発が広がっている。米大リーグ機構(MLB)やコカ・コーラデルタ航空などが反対を表明しており、上院のミッチ・マコネル院内総務(共和党)はこれらの団体や企業を「とても愚かしい」と批判した。
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日本では、オシャレそうなイメージのある企業も金儲けを前に政治(人権問題、環境問題)から逃げる。カッコだけ一人前でも、日本も、欧米ではなく、しょせんはアジアだ。

 

ウイグル問題は政治的であり、ノーコメント=柳井ファーストリテ社長 | ロイター

2021年4月8日
[東京 8日 ロイター] - ファーストリテイリング柳井正会長兼社長は8日の決算会見で、中国新疆ウイグル自治区で懸念されている少数民族ウイグル族の人権を巡る問題について政治的だとの認識を示し、「政治的には中立な立場でやっていきたい。ノーコメントとさせていただきたい」と述べた。
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どころか、自分たちが人権問題をやらかす。

 

「NHKは日本の敵」 DHCサイトに会長名で新文章:朝日新聞デジタル

2021年4月9日
 化粧品大手ディーエイチシー(DHC)が公式オンラインショップのサイトに、「NHKは幹部・アナウンサー・社員のほとんどがコリアン系」「NHKは日本の敵です。不要です。つぶしましょう」などとする吉田嘉明会長名の文章を掲載したことが9日わかった。意図などを問う取材に、DHCは「回答には数日いただいている」としている。
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アメリカなら、テレビ局やビッグテックがユニクロやDHCのコマーシャル契約を取り消す。取引企業も手を引く。
EUなら、政府がユニクロやDHCに調査を入れる。

日本はアメリカでもEUでもない。アジアである。

 

じゃあ、アメリカやEUに危険はないのか? ある。

 

アメリカ民主党は、社会を支配し、言論の自由も制限するビッグテック企業の取り締まりに乗り出したが、それもやり過ぎると、EUを通り越して、ユーラシア大陸の向こう側、中国に行き着く。

 

アントIPO失敗が示す条件付きの金融開放-習主席と共産党が力誇示 - Bloomberg

2020年11月5日
史上最大の新規株式公開(IPO)を突然やめさせた中国は、世界中の投資家に対し明白なメッセージを送っている。いかなる金融開放であれ、習近平国家主席共産党に利する条件でのみ行われるということだ。
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  反体制派を黙らせる手段には事欠かない共産党だが、労働争議や投資詐害、環境災害など生活の基本に関わる問題での怒りの噴出への対応には手を焼くこともある。金融システムそして党の安定を揺るがしかねない脅威を小さくしようと、習政権は発足後のほぼ10年間、ビリオネアや民間企業などひとひねりだと強い姿勢を打ち出してきた。
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「理屈で考える」大陸法・大陸合理論がさらに暴走すると、大陸の奥、東のロシア、共産主義へ外れていく。

管理社会、ソ連共産主義ファシズムジョージ・オーウェル「1984年」に行き着く。

IT技術で人民を監視・管理する中国共産党の「デジタル・レーニン主義」である。

  


1984 (1984) ORIGINAL TRAILER [HD 1080p]

 

先に紹介したニュースにおける、大陸法EUから見た英米アメリカの統治の問題点の指摘は鋭い。

 

トランプのSNS締め出しに欧州から批判 テック大手への警告か | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン) 

2021/01/13
現状は「ワイルド・ウエスト(米開拓時代の西部地方)」を彷彿させるとも言及している。

 

言論の自由を、公的存在である政府が管理せず、私企業であるビッグテック企業の商売の自由の自主規制に丸投げのアメリカの態度は、無法・無政府に近い。

 

「常識で考える」英米法・イギリス経験論がさらに暴走すると、時間が逆転して西部開拓時代に行き着く。無法、無政府、アナキズム武装したガンマンが闊歩する西部劇の世界である。

 

無法世界で自警団が戦う映画は、「七人の侍」「荒野の七人」「マッドマックス」などなど山ほどあるが、代表として「ウォリアーズ」(1979年)。
 


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無政府主義アナキズムや無政府資本主義リバタリアニズムは現実世界に実現したことがない、と思われがちだが、近代国家登場以前、中世封建社会こそアナキズムリバタリアニズムの世界である。

英米法は中世封建時代と継続している。マグナ・カルタの時代に逆戻りするのだ。

中世封建社会は、法律で全体を統治する中央政府が無力。個人は単独では弱いので徒党を組んでグループ化する。義理人情で組織になる。

ニューヨークのストリートギャングもヤクザも、日本の源氏も平家も武田信玄上杉謙信も、私有財産を自前の暴力で自己防衛する自警団の世界だ。

 

アメリカ合衆国憲法修正第2条
規律ある民兵は、自由な国家の安全にとって必要であるから、人民が武器を保有し、また携帯する権利は、これを侵してはならない。 

 

自分は自分で守る。銃を持つ権利も、英米法の思想なのである。

 

リバタリアン英米法的である。彼らは個人や企業による国家なき自由な世界を夢見る。

しかし、実際に国家権力を無くせば、人間は徒党を組み、西部劇、戦国大名ストリートギャング、マッドマックス、北斗の拳の世界になる可能性が高い。

 

アリババを呑み込む中国共産党の「デジタル・レーニン主義」。

ヘイトスピーチナチスも許さないEUの「戦う民主主義」。

ヘイトスピーチに商売の自由で対抗するアメリカの「ビッグテック」。

無法世界をサバイバルする自警団ギャングの「ワイルド・ウエスト」。

自由を巡って、4つの陣営が激突する。

 

以上のような思想的背景があるので、アメリカの右翼・保守と、日本やヨーロッパの右翼・保守は、自由の考え方がサカサマになる。

 

新型コロナ: ワクチンパスポート、米内外で是非二分 テキサスは禁止: 日本経済新聞

2021年4月8日
【ニューヨーク=山内菜穂子】新型コロナウイルスのワクチン接種歴を証明する「ワクチンパスポート」の是非をめぐる議論が米国内で高まっている。南部テキサス州は州の機関などが利用者に証明書の提示を求めることを禁じた。ワクチンが正常化への切り札になるとの期待が高まる一方、接種が任意である点を理由に賛否が分かれている。
テキサス州は6日、州の機関や公的資金を受ける民間団体などに対し、ワクチンパスポートといったワクチン接種の証明書を利用者に求めるのを禁じた。アボット知事は「ワクチン接種は任意であり、決して強制されない」と強調した。南部フロリダ州も企業などが証明書の提示を求めることを禁じたほか、南部ミシシッピ州のリーブス知事もCNN番組で「ワクチンパスポートを支持しない」と明言した。こうした州の知事は共和党だ。
一方で、ワクチンパスポートの導入に動いた州もある。東部ニューヨーク州は3月末、ワクチン接種歴やコロナ陰性証明を表示するスマホアプリ「エクセルシオールパス」の運用を開始した。開発にはIBMなどが協力した。すべての観客に接種歴か陰性の証明を求めることで、イベント会場などの収容人数を増やせるという。米メディアによると、ハワイ州も同様の仕組みについて検討に入っている。
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テキサス州など保守共和党英米法のアメリカそのものだ。

ニューヨーク州などリベラル民主党大陸法のEUに近い。

アメリカの保守・右翼・共和党は、ワクチンパスポートに反対する。マスクの義務に反対する。銃の保有に賛成する。全体の安全より個人の自由を優先する。

アメリカのリベラル・左翼・民主党は、EUと同じく、ワクチンパスポートに賛成する。マスクの義務に賛成する。銃の保有に反対する。個人の自由より全体の安全を優先する。

 

日本の保守・右翼は、ワクチンパスポートに賛成か?反対か?、おそらく賛成が多いだろう。

個人の自由より全体の安全を選ぶ、日本の保守・右翼は、国家権力を認めないアメリカの保守・右翼・共和党よりも、国家の保護を認めるアメリカのリベラル・左翼・民主党に近い。

 

日本のリベラル・左翼は、ワクチンパスポートに賛成か?反対か?、プライバシーの侵害を恐れて、反対の人も多いんじゃないか?

全体の安全より個人の自由を選ぶ、アナキズム思想の影響がある、日本のリベラル・左翼は、アメリカのリベラル・左翼・民主党よりも、リバタリアン思想の保守・右翼・共和党に近いのだ。