戦後天皇制はバッシングの歴史である。
皇室をバッシングしてきたのは、左翼ではない。心情的には尊皇派だと自認している国民からのバッシングだ。
本題の前に、まず枝葉の話だが、「上皇后」という珍奇な名称はどうも気に入らない。同じ珍奇なら字数を合わせて「上后」でイイじゃないか。
現仙洞・一院家(上皇上后両陛下)だって、昭和の御代、東宮時代は、戦前世代から、バッシングされていた。現上后陛下が皇族華族ではなく、平民出身だったからだ。
平成の御代、御代替わりの時も、「先帝に比べて頼りない」というバッシングが、特に右方面から、あった。
現聖上だって、現皇后が、健康面で公務不能の時期が続き、無茶苦茶バッシングされた。姫御子しか産まず、皇位継承の皇子を産まなかったことも、さらにバッシングを増やした。
昭和末期から平成初期は、当時の皇太子妃・現皇后陛下バッシングの反動で、「秋篠宮待望論」が平然と起こっていたいた。特に悠仁親王殿下御生誕で、秋篠宮=現皇嗣家待望論は極に達する。
しかし眞子内親王殿下・小室圭氏の御恋愛から、世論は180度ひっくり変わり、皇嗣家人気が暴落する。
昭和天皇を持ち上げ、現仙洞を貶める。
現仙洞を持ち上げ、皇嗣殿下を持ち上げ、現聖上を貶める。
現聖上を持ち上げ、皇嗣家を貶める。眞子内親王殿下・小室圭氏を貶める。
世論なんて、国民感情なんて、その繰り返しだ。どこが尊皇なんだ(笑)?
戦後の皇族は、常に、リベラル寄りであり、御代を重ねるごとにますますリベラル化した。
皇室の政治スタンスは、産経新聞ではなく、常に、朝日新聞とシンクロする。たとえイヤでも事実は事実だ(笑)。
たとえば、LGBTや同性婚、夫婦別姓などなどの社会問題を、聖上だけでなく、皇族に伺えば、「同性婚は日本社会を破壊する」とか、「夫婦同姓が家族の絆」とか、回答するわけがない(笑)。間違いなく、LGBTも夫婦別姓も賛成するだろう。
イヤミな言い方をすれば、右方向は冷たく放置してても、皇室支持は消えない。左方向に融和的なスタンスの方が、国民全体の支持は安定するからだ。
皇室リベラル化は大東亜戦争のトラウマである。
あの敗戦こそ天皇制廃絶の可能性まであった皇室史上最大最悪の危機だった。
あの瞬間から、皇室は助けてくれたアメリカには絶対に逆らわないことが基本となった。そして、政治、特に、軍事は、皇室にとって最大のタブーとなった。皇室は自衛隊に近づかない。
昭和天皇は、A級戦犯=昭和殉難者合祀後、靖国神社御親拝を止めた。大御心は「富田メモ」に明記されている。
櫻井よしこを代表とするネトウヨ系は「富田メモ」を認めない。しかし、じゃあなんで御親拝が無くなったのか?のマトモな説明もできない。
承詔必謹!天皇陛下大御心渙発。昭和「二・二六事件、終戦御聖断」→平成「御退位」→令和「コロナ五輪」 - 在日琉球人の王政復古日記
今回の「コロナ五輪拝察」発言も、まったく同じで、ネトウヨは、都合の悪い話は、たとえ大御心でも、軽視・無視する。どこが尊皇なのか?
さすがにネトウヨも、聖上を直接批判はできない。だから「宮内庁長官が悪い!」と言い出す。「君側の奸」、二・二六事件の青年将校と同じ論理である。
もちろん「反天皇制のパヨクのくせに、大御心を政治利用するな!」という反論もある。確かにその通りである。アンチ自民のリベラル派は大御心を政治利用している。
リベラル派も「人命の心配は政治じゃない」とかウソは付かずに(笑)、認めればいいのだ。
「天皇がリベラルなんだから、応援して何が悪いのか?」と。
保守もリベラルもウソは止めよう。
皇室は100%政治的存在であり、聖上が、どんなアクションを取っても、逆に沈黙しても、常に100%政治行為なのだ。影響ゼロなわけがない。
普段は、右方向が、皇室を散々政治利用しまくってるではないか。左方向が、同じ政治利用をして、なんで悪いのか?
マトモな右翼なら昔から気付いているが、「大御心」こそが憲法改正の最大の障害になる可能性は非常に高い。
LGBTも、夫婦別姓も、外国人移民も、そして、憲法改正も、皇室とリベラル派の「同盟=野合」は続くだろう。