在日琉球人の王政復古日記

NATION OF LEQUIO

無条件降伏の大日本帝国VS国体護持のキューバ。

日本の保守派にとって最大の矛盾は「アメリカ」である。

 

日本の国体を肯定するのならば、大東亜戦争も肯定せねばならない。

大東亜戦争は、アメリカの侵略行為・挑発行為に対する、日本の自存自衛の防衛戦争であり、欧米列強の植民地支配に苦しむアジア諸国の解放戦争である。

つまり日本は正義であり、悪いのはアメリカなのである。

 

その悪のアメリカ相手に、無条件降伏し、ヤルタ・ポツダム体制を受け入れ、東京裁判で裁かれ、屈辱の亡国憲法を押し付けられ、日米安保条約を結び、日本各地に米軍基地を置かれた。

 

大東亜戦争が正義ならば、東京裁判を認められないし、亡国憲法も認められない。

そこまではいいのだが、東京裁判・亡国憲法とワンセットメニューである日米安保と米軍基地は、なぜなんだか(笑)、喜んで受け入れるのである。

日米安保と米軍基地を受け入れといて、同じセットメニューである東京裁判亡国憲法を否定する根拠がどこにあるのか?

東京裁判を認めないということはアメリカの正義を認めないということだが、その正義の無いアメリカと軍事同盟を組んでる日本に正義があるのか?

 

逆に日米安保を肯定するのならば、必然的にアメリカの仕切りである東京裁判は肯定しないといけないし、昭和殉難者A級戦犯であり、大東亜戦争は日本の侵略戦争ということだ。

 

いやいや国際政治に正義も悪もない。あるのはサバイバルのためのリアリズムだけだ。生き残りのためなら悪魔のアメリカとでも組む、、、という理屈は判るが、じゃあ、大東亜戦争だって、悪でもないだろうが、正義の戦争では絶対にありえないし、大東亜戦争ソ連南樺太侵攻と支那チベット侵略は全く同じ価値である。防衛戦争も解放戦争も侵略戦争との倫理的区別は存在しない。

そもそも正義も悪もない世界なんだったら、日本の国体も、正義でもなければ悪でもない、ただの生存欲望のタテマエだ。

 

こんな矛盾に陥るのは、大東亜戦争を途中で止め、アメリカに無条件降伏したからだ。降伏さえしなかったら、日本の正義は守られた。

現実に、アメリカ相手に、自分たちの「大東亜戦争」を戦い抜いた国もある。

 

一つはベトナム。彼らは「本土決戦」でアメリカを追い出した。

イランやイスラム国も現在、彼らなりの「大東亜戦争」継続中だ。

そして、大東亜戦争」を50年間戦い抜いて、無条件降伏を回避し、条件講和に漕ぎ着けそうなのがキューバということだ。

 

【米・キューバ国交正常化】マケイン議員が猛批判 「独裁者、悪党、敵への融和政策」 - 産経ニュース

2014.12.18
 【ワシントン=加納宏幸】オバマ米大統領キューバとの国交正常化交渉を始める方針を示したことに、米議会では野党・共和党だけでなく与党・民主党からも批判が噴出。オバマ氏が表明したキューバへの大使館開設には反発が予想されるほか、議会が設定した対キューバ制裁の解除にも影響を与えそうだ。
 共和党のマケイン、グラハム両上院議員は17日、「独裁者、悪党、敵への融和政策であり、世界での米国の影響力を小さくさせる」と批判した。
 マケイン氏は共和党が上院で過半数を得る1月招集の新議会で軍事委員長に、グラハム氏は歳出委員会で外交予算を担当する小委員長に、それぞれ就任予定。大使館開設の予算審議などに影響を与えうる立場だ。
 キューバからの移民を両親に持ち、2016年の大統領選への出馬が取り沙汰される共和党のルビオ上院議員は声明で、キューバはシリアやイランと同じテロ支援国家で、北朝鮮との武器の違法取引に関わっていると指摘。オバマ氏の決定は「米国の国家安全保障を危険にさらす」と訴えた。
 一方、与党・民主党でもキューバ系のメネンデス上院外交委員長が声明を発表し、オバマ氏の決定を「連邦法や議会を迂回(うかい)するものだ」として非難した。さらに、オバマ政権がキューバカストロ体制に経済的な命綱を投げ与えることになったとし、新議会で政府側に「劇的で間違った政策変更」についての説明を求める考えを表明した。

 

このニュースで、アメリカのマケインの意見に賛同する日本人がいる。

もしも、マケインに賛同している人が、同時に、大東亜戦争を日本の聖戦とし、東京裁判を否定していたら、完全な【狂人】である。首尾一貫した思考能力が皆無である。

 

マケインが、いや、アメリカが言う「独裁者、悪党、敵」という言葉は、70年前、東条英機たち日本の戦争主導者に投げつけられた言葉と【全く同じ】なのである。

 

アメリカにっては、東条英機カストロは、同じ「アメリカの敵」なのだ。

東条は「土下座したカストロ」であり、カストロは「降伏しない東条」である。

大日本帝国は「白旗を揚げたキューバ」であり、

キューバは「本土決戦から逃げなかった大日本帝国」である。

 

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 フィデル・カストロ爺さんよ、貧困や革命は語ってイイが、あんたに核兵器や戦争を批判する資格だけは1ミクロンもない。 - 在日琉球人の王政復古日記