在日琉球人の王政復古日記

NATION OF LEQUIO

共和党分裂「トランプ愛国者党VS穏健派RINO新党」~民主党分裂「AOCプログレッシブVSバイデン中道派」

今、南北戦争で黒人奴隷を解放した「リンカーンの党」が苦悶している。

 

リンカーン(共和党)の時代は、

共和党が、北部、勝ち組、インテリ、奴隷解放論者を代表していた。

民主党が、南部、負け組、ポピュリズム、白人至上主義を代表していた。

21世紀の今とは、ちょうど、サカサマだったのである。

大恐慌ルーズベルト(民主党)から、第二次世界大戦を挟んで、公民権運動ケネディ(民主党)VSニクソン(共和党)の間に、民主党が黒人の支持を選び、共和党が南部キリスト教福音派を手に入れて、共和党民主党は支持層も政策もスッカリ入れ替わった。

 

トランプを切るか?トランプの党になるか?共和党分水嶺に立つ。

 

もし思い切ってトランプを切っても、Qアノン、白人至上主義、キリスト教福音派などが共和党を離脱し、第3政党「愛国者党」を旗揚げするかもしれない。共和党分裂だ。

 

【世論調査】共和党支持者の3割がトランプの「愛国者党」に入りたい、ほか | ワールド | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

2021年2月1日(月)
退任式典の演説で「何らかの形で戻ってくる」と語ったトランプ前米大統領
米大統領の任期は連続2期までだが、連続しない形での再任も認められており、トランプには再び大統領選に挑む権利がある。
最新の世論調査によれば、共和党支持者のうちおよそ54%が、トランプが2024年の大統領選に再出馬すべきと回答。再出馬すべきでないと答えた37%を大きく上回った。
ただし政党に関しては意見が分かれており、トランプが結成をにおわせている「愛国者党」に入りたいと答えた人は30%。一方、共和党員のままがいいと答えた人は33%だった。
54%
トランプが2024年の大統領選に出馬すべきと答えた共和党支持者
30%
愛国者」に入りたいと答えた共和党支持者
33%
共和党員のままがいいと答えた共和党支持者

 

正反対の動きもある。狂気のQアノンにはもううんざりだと、トランプに屈服した共和党を捨てて、「リンカーンレーガン保守新党」を目指す動きもある。こちらでも共和党分裂は同じだ。

 

CNN.co.jp : 共和党の元公職者120人、中道右派の新党結成を議論

2021.02.13
(CNN) 共和党の元公職者約120人が新たに中道右派の政党を作る可能性について議論していることがわかった。トランプ前大統領の影響下にある党の方向性や2度目の弾劾(だんがい)裁判での無罪予想に不満を持つ参加者が集まった。
会議に参加したチャーリー・デント元下院議員(ペンシルベニア州選出)がCNNに確認した。会議は5日に開かれ、新党を結成すべきか、または党内に新党派を作り共和党から独立して活動すべきか話し合ったという。
デント氏は「私や他の共和党指導者と同様、トランプ氏との決別を望む多くの共和党がいる。真実、誠実、民主主義、法の支配といった中核となる基本原則の下に結集しようとしている」と述べた。
(略)

また、「共和党員の5~20%が分かれ、新党をスタートさせるだろう」「民主党にも協力的な中道右派の政党になる。極右の無意味な言動は清算する」とも述べた。
会議を組織した団体「スタンダップ・リパブリック」のエバン・マクマリン事務局長や前述のデント氏は、参加者は新党の結成か、党内での新党派結成かで分かれていると認めた。
クマリン氏は、議論は「党の方向性を変えるのを助ける何か、または直接党に対抗する何か新しいものを作ることが焦点だった」と説明。新党派が結成される場合は独自の共和党候補を立て、場合によっては民主党候補を支援することもあると述べた。

 

現時点で共和党の多数派は、トランプを抱き込んだまんま、将来における状況変化、つまり支持者の心変わりを待つ選択を取った。

 

トランプ氏に無罪の評決、内乱扇動の弾劾裁判-共和7人が造反 (訂正) - Bloomberg

2021年2月14日
  トランプ前米大統領は13日、2度目の大統領弾劾裁判で無罪の評決を受けた。1月6日にトランプ氏を支持する集団が連邦議会議事堂に乱入した事件に関連し、内乱を扇動した罪で弾劾訴追されていた。
  上院で開かれた弾劾裁判の評決は、トランプ氏有罪が57、無罪が43。共和党7人が造反したものの、有罪に必要な3分の2には届かなかった。弾劾訴追とそのきっかけとなった議事堂乱入事件で、トランプ氏は支持者の一部を失う可能性はあるものの、無罪の評決を受けたことで2024年の大統領選挙出馬に道が開かれた。
(略)

  約1年前の初回弾劾裁判では、トランプ氏に有罪票を投じた共和党議員はミット・ロムニー上院議員ユタ州だけだった。今回はリチャード・バー(ノースカロライナ)、ビル・カシディ(ルイジアナ)、スーザン・コリンズ(メーン)、リサ・マカウスキ(アラスカ)、ベン・サス(ネブラスカ)、パット・トゥーミー(ペンシルベニアの6議員がロムニー氏に加わった。

 

トランプを批判したら、次の選挙でトランプ派から対立候補を立てられ、当選が危ない。気持ちはともかく大半の議員はダンマリだ。

しかし、2024年次期大統領選を目指す有力共和党員にとっては、トランプ票がないと当選できないが、トランプがいたら候補になれない、という矛盾に陥る。

 

2024年、共和党がトランプを候補に立てても、これ以上新たなトランプ支持者は出てこないし、逆にたとえ少数でも今回でドン引きした有権者の投票は減るから、2020年以上の票は取れない。

 

造反の、つまり本来の、リンカーンレーガン共和党を選んだ7人。 

ミット・ロムニー(ユタ:中西部・共和党州)
リチャード・バー(ノースカロライナ:東部・共和党州)
ビル・カシディ(ルイジアナ:南部・共和党州)
スーザン・コリンズ(メイン:東部・民主党州)
リサ・マカウスキ(アラスカ・共和党州)
ベン・サス(ネブラスカ:中西部・共和党州)
パット・トゥーミー(ペンシルベニア:東部・激戦州) 

 

案の定、地元の共和党から突き上げを食らっている。

 

トランプ氏弾劾裁判で有罪票の共和党議員、地元党組織が非難決議 | ロイター

2021年2月16日
[ワシントン 15日 ロイター] - ノースカロライナ州の共和党中央委員会は15日、トランプ前大統領の弾劾裁判で有罪票を投じた同州選出のリチャード・バー上院議員への非難決議を全会一致で可決した。
同委は、トランプ氏の弾劾が「米国憲法の外」にあるとの見解で「共和党の圧倒的多数」と一致していると表明した。バー氏は3期目の同州選出議員で2022年の選挙で再選を目指さない考えを示している。
上院は13日、連邦議会占拠を巡るトランプ前大統領への弾劾裁判で無罪評決を下した。有罪支持57票に対し無罪は43票で、必要な3分の2に届かなかった。共和党議員50人のうち7議員が有罪票を投じた。
ルイジアナ共和党執行委員会も13日に、有罪に投票したビル・カシディ上院議員への非難決議を可決。ペンシルベニア共和党のトップ、ローレンス・タバス氏は有罪に投票したパット・トゥーミー議員を公の場で批判している。
(略)

 

リチャード・バー、パット・トゥーミーは引退予定なんでトランプが怖くない。

ミット・ロムニーユタ州モルモン教徒。選挙に強いから冒険ができる。

スーザン・コリンズ、リサ・マカウスキは、ゆわゆるロックフェラー・リパブリカン共和党穏健派)。RINO(リパブリカン・イン・ネーム・オンリー/名前だけ共和党)という悪口で呼ばれる。

スーザン・コリンズはメイン州。真っ青な州でも当選するということは、選挙に強いし、実際に投票してるのは民主党員も多いだろう。

リサ・マカウスキは真っ赤なアラスカ州だが、ティーパーティー運動で副大統領候補まで行ったトランプの先輩格みたいなサラ・ペイリンの政敵らしい。

ビル・カシディ、ベン・サスはホント勇気がある。引退するつもりか?、まさか民主党鞍替えを狙ってるのか?

 

「トランプ排除は不可能。もはや共和党は救えない」と見切りをつけたリンカーン派は離党し始めた。

  

焦点:トランプ氏にうんざりの共和党員が大量離党、右傾化に拍車か | ロイター

2021年2月22日
[ワシントン 18日 ロイター] - 米共和党から党員の離脱が急増している。連邦議会襲撃事件をめぐるトランプ前大統領の言動に反発した穏健派党員が中心とみられ、来年11月の次回中間選挙共和党候補者を決める党予備選で、共和党の右傾化がさらに強まる可能性がある。
離党者は、大都市周辺で左派色の強い郡に集中している傾向が強い。政治アナリストによると、穏健な共和党員が主な離党者であることを示唆している。
(略)

<弱まる都市部の支持>
フロリダ大学政治学研究者マイケル・マクドナルド氏によると、共和党内でトランプ氏に批判的な少数グループ、つまり弾劾決議案に賛成した下院議員10人や弾劾裁判で有罪票を投じた上院議員7人などにとっては、穏健派党員が減少すると予備選で対抗馬を退けるのがより困難になるのではないかという。
大量離党は、比較的裕福な人が住む地域で共和党支持が減退していることとも関係している。例えば都市近郊部などだ。そうした地域は昨年11月の大統領選挙でバイデン氏勝利を後押しした。

(略)

 

もちろん民主党も一枚岩ではない。

サンダース、ウォーレン、AOCアレクサンドリア・オカシオ・コルテスを代表とする、西ヨーロッパ型社会民主主義を理想とする左派=プログレッシブが着実に増えている。

 

共和党トランプ派とは正反対(笑)の立場で対抗する、バーニー・サンダースエリザベス・ウォーレンの後継者、民主党プログレッシブ極左(笑)軍団。

  

https://pbs.twimg.com/media/ErJyJ0oUcAEH20Q?format=jpg

 

全員、連邦下院議員。左から、

ラシダ・タリーブ(Rashida Tlaib)(ミシガン州)。アメリカ民主社会主義者(DSA)。パレスチナムスリマ

イルハン・オマル(Ilhan Omar)(ミネソタ州)。ミネソタ民主農民労働党ソマリアムスリマ

ジャマール・ボウマン(Jamaal Bowman)(ニューヨーク州)。アメリカ民主社会主義者(DSA)。アフリカ系男性。

アレクサンドリア・オカシオ・コルテス(Alexandria Ocasio-Cortez/AOC)(ニューヨーク州)。アメリカ民主社会主義者(DSA)。プエルトリコ系ヒスパニック。

コリ・ブッシュ(Cori Bush)(ミズーリ州)。アフリカ系。

アヤンナ・プレスリー(Ayanna Pressley)(マサチューセッツ州)。アフリカ系。

 

ただし共和党のトランプ派みたいに過半数を制したわけではない。まだ少数派だ。

トランプが有力である限り、民主党として負けるわけにはいかないので、皮肉なことにトランプが民主党中道派とプログレッシブを団結させる。

トランプを弾劾してる民主党の方が、逆に、トランプが残って共和党をかき回して分裂してくれて、選挙はやりやすいのである。

 

さらに、もしも共和党に失望したリンカーン派が民主党に鞍替えすれば、中道派オバマ-バイデン-カマラ派も勢力が増す。

バイデンさんが失敗しない限り、カマラ・ハリスが2024年に女性大統領の可能性が高い。

 

米国で「第三政党を求める声」高まる、支持は過去最高の62%に | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)

2021/02/16
ドナルド・トランプ米大統領の退任後、共和党内部では今後の党の方向性を巡る論争が続いている。一方、米国の世論はますます、より大規模な第三政党の登場を求めるようになっている。
米調査会社ギャラップが発表した最新の調査結果によると、民主・共和両党が「十分な働きをしている」と回答した人は、わずか33%だった。「第三政党が必要」と答えた人は62%で、昨年9月の57%から5ポイント増加した。ギャラップが2003年に同じ調査を開始して以来、最も高い割合となっている。
新党の創設を支持する人は、共和党支持者の63%、無党派層の70%。民主党支持者46%(昨年9月の調査では52%)だった。
共和党支持者のうち、トランプ前大統領に同党のリーダーであり続けてほしいと希望している人は68%。党がさらに保守化することを望む人は40%(相対多数)だった。
また、今後の党の方向性について、民主党支持者は34%が「よりリベラルになる」ことを期待。34%は「穏健化」、31%は「現状維持」を望んでいる(調査は1月21日~2月2日に実施。サンプル数は906)。
(略)

最新の調査結果では、1月6日に起きた連邦議会議事堂での暴動をきっかけに、共和党の支持率が低下していることが示された。特に党員の間で、支持離れが目立っている。

 

共和党員も民主党員も、より過激な第三政党という希望と、より中道な第三政党という希望に分かれる。

共和党支持者の63%」も「民主党支持者46%」も一枚岩ではなく、それぞれ逆方向の合計になる。

選挙に勝った民主党はまだ比較的安泰である。

よりリベラル(プログレッシブ)約3割、現状約3割、より中道(保守)約3割。これではすぐに分裂しそうもない。

負けた共和党はトランプがいる限り一枚岩は不可能だろう。

トランプ派も、反トランプ派も、中途半端な現状に満足できない。右の過激派と左の穏健派のどっちもが共和党から逃げている。

 

将来のアメリカ政治は、

右のQアノン「トランプ派」、

左のAOC「プログレッシブ」、

民主党中道派(オバマ、バイデン)と共和党穏健派(反トランプ)が合体して「ワシントン大連合」、

の三つ巴になるのかもしれない。

 

どっちにしても、一部がトランプ派、なのではない。「1・6」後の今でも共和党支持者の過半数がトランプ派なのだ。

共和党支持者の半分以上が、フェイクニュースを信じ続ける、負けるくらいなら民主主義も法律も否定する、暴動を起こしても許されると本気で思っている、という「事実」。

 

この「現実」を前提にして、アメリカ国民の融和を要求するのは、民主党共和党の反トランプ派に「民主主義を放棄せよ」と言ってるのと同じだろう。

北朝鮮の体制をそのままに南北統一国家を夢想する韓国進歩派(名前は進歩だが中身は現実を無視するナショナリスト)と同じ狂気の強要である。

 

仮に有権者過半数陰謀論者だったとしても、無理やりにでも、民主主義を実行しないとダメなのか?

われわれ人間に「民主主義=デモクラシー=民衆による支配」は本当に可能なのだろうか?

フランシス・フクヤマが「歴史の終わり」を書いたなんて、悪い冗談だった。

 

第2次南北戦争はトランプの勝利、リンカーンの敗北。連邦党→ホイッグ党→ #共和党 VS民主共和党→ #民主党 - 在日琉球人の王政復古日記

  

ワシントン派、ラジカルリベラル、宗教保守、リバタリアン、ポピュリスト~アメリカ政治「五大派閥」。 - 在日琉球人の王政復古日記

 

2024年 #カマラ・ハリス VS #トランプ ~人口増加・南部はどんどん青くなる。人口減少・五大湖はますます赤くなる。 - 在日琉球人の王政復古日記