在日琉球人の王政復古日記

NATION OF LEQUIO

《保存資料》テキサス州~「青→赤の20世紀」VS「紫の21世紀」~ #共和党 #リバタリアン #福音派 

death proof-chick habit

 

テキサスは「もう一つのアメリカ」だ。

ハリウッドとニューヨークとワシントンに慣れ親しんだ我々には見えない「アメリカ」がある。

 

2021年アメリ大寒波のニュースで
「これぞテキサス」
「これぞ共和党
「これぞリバタリアニズム
「これぞキリスト教福音派
「これぞカルヴァン派
「これぞ西部劇映画の政治思想」
とも言うべきものがあった。

 

少々長いが、内容的にカットするともったいないので、保存資料としてコピペしておく。

 

米大寒波で20人以上死亡 強者のみ生き延びると主張の市長は辞意 - BBCニュース

2021年2月18日
アメリカ各地が厳しい寒波に襲われており、17日までに少なくとも21人が死亡した。テキサス州内は深刻な停電に見舞われており、そうした中で「生き延びるのは強者のみだ」と主張した市長は批判され、辞任した。
アメリカはフロリダ州カリフォルニア州南部などを除き、ほとんどが記録的な寒さや降雪に見舞われている。これほどの寒さが珍しいテキサス州では電気の需要が一気に急増したため、各地で停電が起きている。
これまでにテキサス、ルイジアナ、ケンタッキー、ノースカロライナミズーリの各州で、寒波が原因とされる死亡が記録されている。一酸化炭素中毒や凍死のほか、ノースカロライナ州では竜巻のため3人が死亡した。
ほかにも複数の州で、新型コロナウイルス・ワクチンの接種会場が一時閉鎖を余儀なくされ、ワクチンの配達も遅れている。一部の接種会場では、電力不足から必要な温度管理ができなくなり、ワクチンを急ぎ使いきろうとスタッフが対応を迫られた。
予報では、今回の極端な寒波は今週末まで続く見通し。
米国立気象局(NWS)は17日午後、寒波の中心はテキサス州を通過したとしつつ、国内1億人に対して寒さを警戒するよう呼びかけた。歴史的な低気温は今後も数日は続く予報で、アメリカ国内の71%に積雪がみられる。
国境を越えてメキシコ北部や中部にも寒波は到達し、数百万人が連日、断続的な停電を経験している。
寒さの備えがない州でも
テキサス州は30年来の寒波に襲われ、14日には一部地域で摂氏零度に達した。ジョー・バイデン大統領はすでに同州に非常事態宣言を宣言し、連邦政府の支援を提供している。
州内ではまだ約200万人が停電状態にある。グレッゴ・アボット州知事は17日午後に記者会見し、州民120万人の住宅で電力が回復し、今後も回復は続くと述べた。
アボット知事は当初、州内の停電は再生可能エネルギーのせいだと発言していたものの、17日には州内のあらゆる電源が「影響を受けた」と認めた。
テキサス州内の民家は通常、防寒対策をとっていないことが多い。このため暖房装置が使えなくなった途端、室内温度は急速に低下し、多くの建物で凍結した水道管が破裂した。
公衆衛生上の大惨事
これまでにテキサスなど複数の州で、交通事故のほか一酸化炭素中毒などが原因で死亡している。車内や室内でエンジンや発電機をつけ、暖をとろうとしたことが、一酸化炭素中毒につながったとみられている。
テキサス州ハリス郡では、一酸化炭素中毒と思われる症状の人が寒波の最中に300人以上報告されている。医師の1人は地元紙ヒューストン・クロニクルに「大量の犠牲者が出る事態になっている」と話した。
同州ヒューストンの医療当局者は地元テレビ局に、「これは完全に公衆衛生上の大惨事だ。もちろん寒くなれば一酸化炭素中毒は起きるが、これほどの人数は通常ではあり得ない」と述べた。
ヒューストンでは民家火災で少なくとも4人が死亡。消防当局は、ろうそくの火が出火原因かもしれないとしている。別の事案では、ヒューストン市内の幹線道路沿いで凍死したとみられる男性2人を警察が発見した。
ツイッターではクリス・ピンスさんが「自分はテキサス州ヒューストンにいて、凍え死にしそうだ。電気も暖房も水道も使えない。小さい子供が4人いるのに。どうしてこんなことになってるんだ?」と書いた。
ジョシュ・モーガーマンさんはツイッターで、テキサス州の友人が暖をとるために「家具を暖炉で燃やす」ところまで追い込まれていると書いた。
テキサス電気信頼性評議会(ERCOT)の幹部は17日、CNNに対して、州内では18日まで輪番停電が続くとの見通しを支援した。
世界的にハリケーンや熱波、洪水などを含む異常気象が増えているのは、気候変動の影響だと科学者たちは指摘している。
同州中部フォートワース郊外に住むチャック・ヘアストンさんは16日にBBCに話した時点で、すでに31時間連続して電気がない状態だと述べた。
「家中のありとあらゆる毛布と枕をかけて」家族と暖炉の前で眠ったとヘアストンさんは話し、近隣のすべてのホテルの連絡してみたものの、満室か、そこも停電していたという。
「自分で何とかしろ」と主張の市長は辞意
こうした中、テキサス州中部コロラドシティ(人口約4000人)のティム・ボイド市長は16日、フェイスブックに「生き延びるのは強者のみだ、弱者は死んでしまう」と投稿した。
ボイド氏はすでに削除された長文の投稿で、「ちょっと時間ができたので、一部の人の気持ちを傷つけてみる」と前置きし、「泣いてほどこしを待つのをやめろ」と主張。「あなたやあなたの家族にために、誰も何も、何かしてやる義理などない。自治体には、こういう時にあなたを支えてやる責任などない! 浮くか沈むか、それは自分で決めろ! 市も郡も電力提供者もその他のサービスも、どこも、あなたに何かしてやる義理などまったくないんだ!」と強い調子で書いた。
「みんな電気と水がない状態におかれてしまって、残念だ。そう! でも自分で何とかできるやつに、こちらから提供なんかしてやるものか!」
神様はこういう時に自分で自分を支えるための道具を与えてくれた。少数の人間が働くからと信じさせて、それ以外はほどこしに依存するようになる、これは残念ながら社会主義政府の産物だ」とも、ボイド氏は書いた。
ボイド氏は16日午後に別の投稿で、辞表を提出したと書き、自分の言葉遣いを謝罪。「高齢者を決して傷つけたりしないし、本当に助けを必要とする人を放置などしない」と書き、「自分でなんとかできるのに、何もしようとしない怠慢な連中には、ほどこしを与えるべきではないと言いたかっただけだ」と述べた。
ボイド氏によると自分の発言のために、妻は解雇され、家族には「憎悪まみれの」メッセージが届いている。

 

これがテキサス。正確には「建国から20世紀までのテキサス」だ。 

 

この冷酷非情に響くテキサスの市長さんの意見こそが、自助努力&自由市場経済の政治思想「リバタリアニズム」である。

 

(まとめ)リバタリアン映画列伝 - 在日琉球人の王政復古日記

 

そしてリバタリアニズムは、キリスト教思想でもある。

マックス・ウェーバーの「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」に描かれた、旧教カトリック神学に対抗する新教プロテスト神学、特にカルヴァン派の思想だ。

クリスマス映画の定番「クリスマス・キャロル」の主人公スクルージが体現する思想である。

 

《クリスマス映画列伝》 #クリスマス・キャロル ~サンタを否定する福音派~カルヴァンVSアルミニウス。 - 在日琉球人の王政復古日記

 

宗派で言えば、長老派、改革派、カルヴァンよりややマイルドなルター派、系統は異なるがアメリカのバプテスト派もこの傾向がある。

全部とは言わないが、キリスト教福音派には、この市長さんの政治思想が流れている。

だからこそ、ホントは貧乏人が多いのに、自分たちが助かるはずのオバマケアのような社会福祉を嫌うのだ。

 

・・・と、ここまでさんざん「テキサス=共和党」と書いてきて、今さらナンだが(笑)、歴史的には正確ではない。

 

「テキサス=共和党」は1950、60年代公民権運動から現在までの話で、建国から第二次世界大戦以前までは鉄板で「テキサス=民主党」だった。

テキサス人が変わったのではなく、民主党共和党とサカサマに変わったのだ。

 

第2次南北戦争はトランプの勝利、リンカーンの敗北。連邦党→ホイッグ党→ #共和党 VS民主共和党→ #民主党 - 在日琉球人の王政復古日記

 

しかし、21世紀になってから、民主党共和党はあんまり変わらないが、テキサス人、テキサス州住民が変わり始めた。

昔ながら住んでいるテキサス人は変わらないが、新しいテキサス州民が増えている。 

一つはヒスパニック系の移民、もう一つは新規産業を目指す北部や西部からの流入である。どっちもが民主党支持者が多い。

そのため都市部では民主党が当選するようになり、州全体は「真っ赤な共和党」から「紫色の州=スイングステート」になりつつある。

 

長くなるが、こっちも保存資料として。

 

テキサス州の変貌と2020年大統領選挙 (2019年9月26日 No.3424) | 週刊 経団連タイムス

Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2019年9月26日 No.3424
テキサス州では1980年大統領選挙以来今日まで、毎回共和党が勝利を収めてきた。南部諸州、特に南北戦争で南軍を構成したテキサスを含む南部11州は、1970年代までは民主党の地盤であった。しかし、黒人への法的差別を禁止した1964年の公民権法制定以来、南部白人の政党支持は徐々に民主党から共和党に移行し、南部諸州は1980年代からはむしろ共和党金城湯池となった。
ただし、フロリダ州では比較的早く民主党が盛り返し、最近では常に接戦州として位置づけられている。2008年には民主党ノースカロライナ州で勝利してアメリカ中を驚かせた。このような文脈で現在注目に値するのが、テキサス州の動向である。
大統領選挙の結果を振り返ってみよう。
テキサス州では2012年に約16%差で、共和党民主党を下した。2016年は9%差であった。同年、オハイオ州などで共和党は2012年から大幅に得票を増やしたが、テキサスでは逆の結果となった。そして2018年の上院選挙では、共和党民主党に勝利したものの、その差はわずか2.6%にすぎなかった。このとき、共和党は現職で知名度の高いテッド・クルーズが候補者であり、民主党候補者は当初は無名に近かったベト・オロークであった。
このように最近、民主党テキサス州で党勢を伸ばしている原因は何であろうか。一つはヒスパニック人口の増加であり、もう一つはハイテク産業の流入である。
テキサス州におけるヒスパニック人口の割合は39%であり、全国比の18.8%をはるかに上回る。まだ白人(ここではヒスパニック系でない白人を意味する)を下回るものの、増加率が高いため、ヒスパニックが州最大の民族集団となるのは時間の問題である。
ヒスパニック系有権者の投票傾向を2016年大統領選挙における出口調査で確認してみよう。
その65%が民主党ヒラリー・クリントンに、29%がドナルド・トランプに投票した(第三政党のゲリー・ジョンソンに3%)ことからわかるように、圧倒的に民主党寄りである。ニューメキシコ州では州民の48%がヒスパニック系となっている。ここではすでに民主党が優位に立っている。
テキサスでは近年、多くの企業が本社機能をカリフォルニア州から移転している。特にオースティンにはハイテク産業が多数存在しており、テキサス大学オースティン校があることでも知られている。オースティン地域はシリコン・ヒルズとして知られ、ダラス北部はシリコン・プレーリーとして知られる。デル、テキサス・インスツルメンツなど多数のハイテク企業の本社がテキサス州に存在している。一般的に白人有権者の場合、高学歴のハイテク関係者の場合には、宗教・文化的争点でリベラルな態度を取る人が多く、民主党支持者であることが多い。また大学関係者は民主党寄りである。
つい最近、クルーズ上院議員はテキサスについて、2020年にトランプが勝つであろうが、接戦であろうと予測した。テキサス州についてのある世論調査では、トランプとの仮想レースにおいて、バーニー・サンダースエリザベス・ウォーレン、そしてジョー・バイデンのいずれもが、トランプを上回る支持率を獲得している。
さらに状況を複雑にしているのは、トランプの北米自由貿易協定(NAFTA、再交渉後は米国・メキシコ・カナダ協定=USMCA)に対する批判的態度である。テキサス州経済にとって、メキシコ・カナダとの貿易は死活的重要性をもつ。2016年の大統領選挙で共和党が勝利したものの、得票率の差を民主党に縮められたのはトランプによる反NAFTAの政策のためかもしれない。
かつてカリフォルニアは圧倒的に共和党が強い州であった。それが1992年に民主党に転じ、それ以来、同州は民主党の堅固な基盤となっている。もしテキサスで同様のことが起きれば、今後長く民主党に有利な状況が展開しよう。民主党にとっても、オハイオ州ペンシルベニア州の奪還と、テキサス勝利とどちらを目指すか、異なった戦略が存在している。

 

テキサスが変われば、大統領選挙の大票田がひっくり返り、アメリカ政治は激変する。

 

すでにアリゾナニューメキシココロラドなどメキシコ国境線の内陸州は、サンベルトなのに、南部ではなく、「カリフォルニア化」して民主党が強くなった。

南部の本丸とも言うべき大西洋岸のジョージア民主党が勝った。次の焦点はフロリダだろう。

南部でも共和党が盤石なのは、ルイジアナなどのメキシコ湾岸だけなのだ。

大票田テキサスとフロリダが民主党になれば、もう共和党から大統領が出せなくなる。

 

そうならないように共和党は、五大湖周辺ラストベルトの白人貧困層を取り込みつつある。しかしそうなると、オバマケアなど社会福祉政策をある程度「リベラル化」しないといけないだろう。

さらに、カトリックのヒスパニックを取り込み、同性婚を認めてLGBTを取り込むべきなのだが、トランプ派、キリスト教福音派、白人至上主義が強すぎて、難しい。

 

無党派層を取るために穏健化したいのに、支持者はどんどん過激化していく。

GOP(グランド・オールド・パーティ)の正念場は続く。

 

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