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在日琉球人の王政復古日記

NATION OF LEQUIO

「無法松の一生」「花と竜/花と龍」~北九州ヤンキー花魁成人式の大先輩~九州のゴッドファーザー吉田磯吉。

~小倉生まれでぇ 玄海育ちぃ 口も荒いが 気も荒いぃ~ 
~無法一代 涙を捨てて 度胸千両で 生きる身の~
~男一代 無法松

 


無法松の一生(度胸千両入り) 村田英雄 UPB‐0078

 

コレが北九州のテーマソングである。

まさに、花魁&ヤンキー成人式を生んだ風土だ。

 

http://www.bs-asahi.co.jp/movie/images/hanatoryu.jpg

 

ヤクザというのは、貧困だけの地域からは生まれない。飢餓で苦しむ地域ではヤクザもシノギができない。

かといって、豊かなだけの地域からも生まれない。セレブな成城マダムや芦屋夫人はヤクザにはならない。

ヤクザは「豊かさ」と「貧困」がモザイクのように混在する地域から生まれる。

 

九州はその典型で、
気候は農業に向いてるし、地理的に半島・大陸への窓口で交易の要衝、さらには明治以降の石炭産業の発達、などなど豊かな部分と、
「五木の子守唄」に代表される内陸部や「からゆき」さんに代表される離島の貧困部分が混在する。

 

さらに九州は、「明治維新勝ち組」かつ「明治維新負け組」というアンバランスな政治ポジションでもあった。

幕末、尊皇攘夷を唱えて大暴れした志士の出身地は、水戸藩を例外として、西南日本(九州、長州、土佐)が圧倒的だった。

よく「薩長土肥」というけれど、尊皇攘夷派はなにも薩摩、肥前だけではなかった。久留米勤皇党とか筑前勤皇党とか西南日本一円の他の藩にもわんさかいた。

しかし、明治維新の手柄を、特に薩長が独占してしまった。

その他大勢の尊皇攘夷派は、栄誉にも政治にも関与できず、徹底的に冷や飯を食わされる。

首都も西日本から遠く離れた江戸=東京のまんま。九州から見れば、薩長から上京した連中が新しい徳川幕府になっただけだ。結局、九州は維新成功の直接の恩恵をほとんど受けなかった。 

 

それだけでもガマンできないのに、明治政府は、攘夷どころか、開国へ180度手の平を返す。チョンマゲを落とし洋服を着て鹿鳴館でダンス三昧である。

「TPP反対!ぶれない!」と連呼して選挙に勝ったのに、「TPPで日本経済を取り戻す!」と言い出した、いつかの時代のどこかの国にソックリである。


「こんなはずじゃなかった!」

これにキレた攘夷派士族が全国で反乱を起こす。

1874年 佐賀の乱肥前
1876年 神風連の乱(肥後)
1876年 秋月の乱筑前
1876年 萩の乱(長州)
1877年 西南戦争(薩摩)
1877年 立志社の獄(土佐)

全国、とは書いたが、全部が西南日本だ。明治維新勝ち組の土地ばかりだ

明治政府への反逆なんだから、戊辰戦争で痛めつけられた旧幕府や東北諸藩、つまり東日本で起こりそうなもんだが、戊辰戦争負け組はほとんど武装蜂起しなかった。

 

結局、士族の乱は全部惨敗。維新勝ち組のはずが維新負け組に転落する。

彼ら不平士族の生き残りから、新しい反政府行動「自由民権運動」が起こる。

自由民権運動というと、イメージが左翼っぽいけど、全然そんなことはなく、征韓論、植民地獲得、海外派兵など外交的にはゴリゴリのタカ派で、はっきり言えば右翼だった。

彼らは「維新の負け」を海外で取り戻そうとする。そこから玄洋社黒龍会など民間右翼結社も誕生する。 

彼らに、商売で稼ぐという発想はない。政治と戦争で誰かから奪い取るのだ。

中国経済崩壊!韓国経済崩壊!EU経済崩壊!で、日本経済だけが復活する!」と言い出す、経済センスゼロの人々のご先祖サマである。

 

しかし負け続きの九州にも、ついに、予想外の宝くじが当たる。石炭である。

炭鉱からケタ違いの富が流れ出し、採掘、製鉄、陸運、海運、労働者の需要が爆発する。

炭鉱夫、川筋者、沖仲士、などなど流動性の高い労働力が集まり、さらに朝鮮半島からの過剰労働力も流れ込む。教育を受けてない彼らを管理・統制する暴力が必要となる。

 

ハングルとカタカナの選挙ビラ~舛添要一東京都知事VS舛添弥次郎若松市議会候補。 - 在日琉球人の王政復古日記

 

維新負け組の怨念、反逆の風土、勝つための暴力肯定、コツコツ商売より一攫千金、石炭が生み出す莫大なカネ、荒っぽい労働環境、法外な豊かさと徹底した貧困の混在、

いやいや、それ以前に、佐賀「葉隠」、肥後「もっこす」、土佐「いごっそう」などなど、西南日本には計算度外視の非合理的行動を良しとするヤクザ気質が昔からあったこともあり、

九州(そして西南日本)にヤクザ的精神風土の基盤が生まれたわけだ。

 

その九州石炭産業の、汚れ仕事=暴力を引き受けてのし上ったのが、「九州のゴッドファーザー」とでも呼ぶべき、若松(今の北九州市)の大親分・吉田磯吉だ。

下関のフィクサー・籠寅組の保良浅之助のライバルである。

 

下関・合田一家~二代目山口組暗殺+SMAPジャニーズ+大手ゼネコン+SEALDs+帝国議会議員~籠寅組・保良浅之助。 - 在日琉球人の王政復古日記

 

石炭が無くなった今でも文化は残る。いや石炭が無くなり、貧乏になれば、残るのは暴力だけになる。

成人式で大暴れした北九州の花魁ギャルや馬鹿ヤンキーのヤクザ気質は、石炭で天下を取った明治の大先輩までさかのぼる、九州の歴史と伝統なのである。

 

昔、石炭。今、成人式~花魁とヤンキーは北九州に残された最後の希望。 - 在日琉球人の王政復古日記

 

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一般に、ヤクザ映画といえば?、と質問すれば、だいたいにおいて「仁義なき戦い」が筆頭に上がる。

私だって何回見たか判らないくらいのオールタイムベスト・シネマである。 

しかし「ヤクザ映画=広島」みたいになったのは「仁義」以降で、広島が舞台のヤクザ映画というのは「仁義」がほとんど初なのだ。それまで広島は無名な場所だった。

「仁義」以前のヤクザ映画・仁侠映画の舞台といえば、大阪や東京浅草もあるのだが、なんといっても最も舞台となったのは九州なのである。

 

戦前からの著名な九州の大侠客・吉田磯吉は、実名やモデルでちょくちょく仁侠映画にも登場する。ちょうど、近日、BSでこれが放映される。

 

BS朝日 - スペシャルドラマ・映画ラインナップ

1月18日(月)よる8:58~11:00 「日本侠客伝 花と龍」

 

ただし吉田磯吉は、主人公ではなく、敵役だ。若山富三郎

主演は東映の金看板、高倉健。 

ヒロインが指定席の東映城のお姫様・藤純子が珍しくワキに回っている。

当時としてはこれまた珍しく、他社トップスタアが客演してる。

ヒロインは、東宝・若大将のアイドル・星由里子

相棒に、日活のアニキ・二谷英明

昔の日本映画の面白さを楽しめるオススメである。

 

戦前の北九州を舞台にした任侠小説「花と竜/花と龍」は、東映だけでなく、邦画各社が映画化している。

 

【追悼】高倉健映画列伝(続・東映任侠時代)~花と龍、花と風、日本暗殺秘録、死んで貰います。 - 在日琉球人の王政復古日記

★1954年東映 監督:佐伯清、 玉井金五郎:藤田進、 マン:山根寿子、 お京:島崎雪子、 吉田磯吉:滝沢修

東映なのに金五郎は黒澤映画な藤田進、そして磯吉が代々木共産党(笑)な滝沢修

 

★1962年日活 監督:舛田利雄、 玉井金五郎:石原裕次郎、 マン:浅丘ルリ子、 お京:岩崎加根子 吉田磯吉:芦田伸介

主演裕次郎&ルリ子の日活黄金コンビ。

 

★1965、1966年東映 監督:山下耕作、 玉井金五郎:中村錦之助、 マン:佐久間良子、 お京:淡路恵子、 吉田磯吉:月形龍之介

錦之助に佐久間、磯吉は月形、そして東宝から淡路、という豪華ラインナップ。

 

★1969年東映 監督:マキノ雅弘、 玉井金五郎:高倉健、 マン:星由里子、 お京:藤純子、 吉田磯吉:若山富三郎

健さん純子の2トップに、富三郎、マンは東宝若大将のマドンナ澄ちゃんを招聘。

 

★1970年東映 監督:山下耕作、 玉井金五郎:高倉健 マン:中村玉緒、お京:藤純子 吉田磯吉:片岡千恵蔵

健さん第2弾、山の御大に、マンは(近年はさんまとテレビで活躍)大映玉緒。

 

★1973年大映 監督:加藤泰、 玉井金五郎:渡哲也、 マン:香山美子、 お京:倍賞美津子、 吉田磯吉:なし?

大映と言いながら、大映末期だけあって、監督東映、主演日活、助演松竹、客演東宝、と邦画ごった煮状態(笑)。

 

各作品の金五郎役を見るだけで、映画スタアの格が判るというものである。 

  

成人式で大暴れした、または、する予定の、北九州のボンクラ小僧&ガールの皆さん、あなたたちの郷土の英雄、「思想的」大先輩は、たくさん映画化されているのだ。

これらを見ずして、北九州は語れない。郷土愛(パトリオティズム)は語れない。

レンタル屋へGO!

 

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