酔っ払いに殴られる、ヘタしたら銃撃される、アメリカ。
警察に逮捕される、キリスト教右翼に半殺しにされる、ロシア。
岩で撲殺されるか、焼き殺される、イスラム圏。
に比べれば、日本の同性愛に対する態度は、はるかに、確かに、マシである。
しかし、日本だって、暴力は振るわないだけで、殴らないだけで、殺さないだけで、同性愛者は「揶揄」と「からかい」と「嘲笑」の対象であることに変わりはない。
日本語版ブルームバーグに詳しく載っていたので参考になった。
「ゲイであることを誇りに思う」-アップルのクックCEO - Bloomberg
2014年10月30日
(略)
同時に私は、「人生における最も大事な問い掛けは『自分は他人のために何をしているか』だ」というマーティン・ルーサー・キング牧師の言葉を深く信じている。
(略)
私が毎朝オフィスに到着すると、キング牧師とロバート・F・ケネディ氏の写真が私を出迎える。この文章を書いたことで彼らと肩を並べられるなどとは思わない。彼らの写真を見た時、他者を助けるために小さいながら自分にできることを私もしていると感じることができるだけだ。
アップルのCEOティム・クックは、まるで絵に描いたような、典型的な《リベラル》である。
1960年代の南部アラバマ州で生まれた白人なのに、それでもマーティン・ルーサー・キング牧師を人生の師と仰いでるということは、もうそれだけで、彼の政治信条は明白だ。
しかも、キング牧師と共にオフィスに飾ってある写真が、ポピュラーなJFKじゃなく、マニアックな弟・ボビー・ケネディ、というところがチョイスとしてシブイ(笑)。リベラルとして筋金入りのホンモノだとわかる。ずっとデモクラット(アメリカ民主党)に投票してきた人だろう。
このニュースに関して、「ホモはキモイ(笑)!」「ゲッ!同性愛なんか理解できない」と真正面から批判する意見はともかく、
「同性愛を差別するつもりはないが、『同性愛であることを誇りに思う』ってのが理解できない。そういうことは黙っておくべき」
「個々の性癖に『誇り』なんて関係ないだろう。じゃあオレは『女好き』を誇りに思うわけ(笑)?」
みたいな違和感を表明する意見も多々あるようだが、
それは、同性愛者が「同性愛である」という理由だけで、殴られない、殺されない、「お前は地獄行きだ!」と罵られない、日本という国に生きているから、そう感じるだけだ。
キリスト教、ユダヤ教、イスラムなど「アブラハムの宗教」の文化圏で生きる同性愛者にとっての「プライド」という言葉は、「誇りに思う」と訳するより、「恥とは思わない」「罪とは思わない」「愛する気持ちは変えられない」と訳したほうが判りやすいかもしれない。
異性愛者は、「同性愛」を、どうしても「性交・セックス」の方向から意識してしまうが、同性愛は、文字通り、同性【愛】なのであって、同性愛者の彼ら/彼女らにとっては、「セックス」の話ではなく、「愛情」の話なのである。
例えば、あなたのご両親は、何歳まで、セックスをしていただろうか?
おそらく、子供がある程度の年齢になった頃には、あんまりしてないはずだ。
しかし、あなたのご両親は、セックスはしないくせに、ずっと老人になるまで、一緒に生活するのである。
なぜなら、夫婦は、セックスも重要だけど、愛情の共同体だからだ。
同性愛者も、(重要だけど)セックスだけではなく、愛情の問題なのである。
「わざわざ同性愛を公表するのは変だ。そういうことは隠しておけば?」という人は、「同性愛=セックス」ととらえているから、「そういうことは自宅のベッドで密かにやってろ。オレたちに公表するな」という意見になるのだ。
そうではなく、愛情の表明だとすれば、「私は神を愛する」「私は郷土・福島県を愛する」「私は祖国・日本を愛する」「私はAKB48が大好きだ」「私は浦和レッズサポーターだ」と同じで、公表してもなんらおかしくはない。
さて、日本では、平安の昔から同性愛、特に「男色」に寛容な風土だが、その性愛には、僧侶と稚児、主君と家臣、藩校の上級生と下級生、客と陰間と、なんらかの年齢的上下関係が絡むことが多い。
同性愛とはいうけれど、日本の場合、その基本はずばり「少年愛」だ。
そうなれば、 日本の同性愛は「男装の年長男子のタチ」と「女装の年少男子のネコ」の組み合わせになることが多い。
つまりは、日本では同性愛すら「ロリコン」なのである(笑)。
公家・寺家・武家の同性愛の風習から、近世に野郎歌舞伎・若衆歌舞伎が成立すると、女形(男性)は文字通り女性を演じるわけで、女性のように化粧して女性の着物を着ることになる。つまり「女装する男性」なわけだ。
日本は同性愛を差別しない、というけれど、平成の御世において、カミングアウトしてる芸能人は、例えばマツコ・デラックスのように「女装」してる、いわゆる「オネエ」がほとんどである。
もちろん、女装男性がテレビで活躍できる日本は全然マシなのだ。
イスラム圏だったら、そもそもマツコ・デラックスはテレビ出禁である。どころか、街中で殺されかねない。
しかし同性愛者からみれば、日本のように「マツコ・デラックス的な存在が同性愛のスタンダード」と思われるのも、ちょっと違うのではなかろうか?
男として、お化粧もせず、男らしい服装をして、ナヨナヨせず、男っぽい仕草で、同じような男装の男性と性愛を結ぶ、そういう欧米に一般的なタイプの同性愛者も多いのではなかろうか?
女性同士のレズだって、男装するオナベがスタンダードだというわけでもなかろう。どこから見てもオンナっぽい女性が、どこから見てもオンナっぽい女性と性愛を結ぶパターンの方が多いのではなかろうか?
日本の世間は、マツコのようなオネエが「スレンダーな男が好き!」と発言しても、それなりに受け止められる。
が、どっからどう見ても通常の男性にしか見えない、例えば歌手の長渕剛や福山雅治みたいな男性が「さわやかでスポーティな男性とラブラブになりたいっすね!」と発言すると奇異の目で見るのではないか?
もしも長渕剛や福山雅治が同性愛者で、カミングアウトしたら、確実に、揶揄され、笑いの対象となるだろう。
実際、若手の人気演歌歌手某は、そういう扱いを受けたではないか。
つまり、日本は、同性愛に寛容なのではなく、「女装する男性」に寛容なだけではないか?
いわゆるビジュアル系バンドみたいなファッションも日本特有らしいが、彼らの大半は化粧をしていても異性愛者だろうし、あれは女装する男性を見慣れた歌舞伎の伝統の上に立ってるように思う。
日本だって、女装の趣味のない男性同性愛者や、ホモより日陰扱いのレズの女性には、殺されないだけで、十分に生きにくい世の中なのである。
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