在日琉球人の王政復古日記

NATION OF LEQUIO

琉球 #辺野古 ≒ #Brexit ~北アイルランドIRAハンガーストライキ餓死、 #三島由紀夫 切腹、越南僧焼身自殺。

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1970年 日本。 

 

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1963年 南ベトナム 

 

「悔しさあるが…」 元山さん、ハンスト終える 19日午後4時57分、ドクターストップ受け - 琉球新報 - 沖縄の新聞、地域のニュース

2019年1月19日
 【宜野湾】辺野古の埋め立て賛否を問う県民投票の事務を拒否している5市の首長に参加を求めるため、「辺野古」県民投票の会の元山仁士郎代表(27)が宜野湾市役所前で実施していたハンガーストライキが19日午後4時57分、ドクターストップにより終了した。
 元山さんは記者団に対し「5市長がまだ参加を表明しない悔しさはすごくあるが、県議会で動きがあることに期待して、ハンストを終えたい」と説明した。
 5市長に県民投票への参加を求める請願書への署名は、20日まで受け付ける。
 午後4時半に医師の診断を受けた元山さんは、2日目に初めて測った時に比べて血圧が急激に下がっており、入院するために車で病院へ向かった。
 ハンストは15日午前8時に開始し、約105時間に及んだ。琉球新報電子版】

  

ハンストは馬鹿にされやすい(馬鹿にしやすい)。

反対派は「命を賭けるパフォーマンスなのに、死んでねーじゃん」と馬鹿にできるからだ。

しかし、それがハンストの普通なのだ。

 

古今東西、特に近年は、日本だけでなく、世界中どこでも、ハンストで本当に死んだ例なんかほとんどないし、誰がやっても、99%は死ぬ前、どころか、体調不良になったら終わる。

(少なくとも近年の)ハンストは、健康は賭けても、命を賭けない抗議である。

 

しかし、他の手段の抗議やパフォーマンスだって、そのほとんどは、命なんか賭けてない。

右翼の街宣車は、交通事故を起こさない限り、右翼が死んだりしない。

在特会から、護憲派から、ゲイパレードまで、デモ行進で減るのは、命ではなく、靴の底だけだ。

座り込みも、命の消費ではなく、時間の消費だ。

韓国人が自慢してる「ろうそく革命」だって、最悪、手が火傷するのがせいぜいだ。

 

抗議活動の「ほとんど」のタイプは、命を賭けたりしないのだが、ハンストは「命を賭けるぞ!」と見栄を張ってるように見えるから、余計な反発を買いやすい。

仮に、ホンキでやって、本当に体調不良になって、入院しても、「死んでねーじゃん」という反論1つで、価値がガタ落ちになる。

 

辺野古のハンストを支持してるサヨクさんだって、もし、ネトウヨが「移民反対!」「眞子様結婚反対!」「韓国国交断絶!」とか叫んで、ハンストやって(辺野古と同じく)3日くらいでギブアップしたら、「敵ながら天晴れ!」「よく頑張った!」なんて賞賛しないだろう。「口だけじゃん!」「ダイエットですか?」と笑い者にしたはずだ。

お互い様なのである。 

 

しかし、「ほとんど」の抗議は命を賭けたりしないが、「例外」はある。

 

1963年、南ベトナム

仏教僧ティック・クアン・ドック師は、南ベトナム政府による、カトリック優遇、仏教弾圧の政策に抗議のため、自分自身にガソリンをぶっかけて火をつけた。

絶命するまで動かず、結跏趺坐を崩さなかった、というから、恐ろしい精神力である。 

 

当時、この衝撃的ニュースは世界中を駆け巡り、南ベトナム政府の評判は地に墜ち、政変の引き金を引いた。

この抗議は、本当に、政治を動かしたのである。

 

真珠湾九軍神VSトランプVSマケインVSベトナム人不法残留留学生VS共産党ホーチミン。 - 在日琉球人の王政復古日記

 

1970年、日本。

東京市ヶ谷で、文学者・三島由紀夫は、陸自東部方面総監を監禁し、自衛隊に決起を促し、割腹のうえ、首を討たせた。

腹真一文字も、書くのは簡単だが、実際に出来る人間がどれだけいるか?

 

社会的にも、思想的にも、昭和を代表する事件の一つである。当時の右翼思想家も、左翼思想家すら、衝撃を受けた。

しかし、日本どころか世界的文学者にして、誰でも知ってる大有名人の切腹でも、自衛隊は動かなかった。思想的には巨大な事件だったが、現実の政治は変わらなかった。

 

#三島由紀夫 楯の会、ナチス突撃隊、鉄兜団前線兵士同盟、社民党国旗団黒赤金、共産党赤色戦線戦士同盟。 - 在日琉球人の王政復古日記

 

#西部邁 ~江藤淳と同じ愛妻家。韓国・朝鮮を語らず。天皇・靖国に情熱薄く。反米にしてヨーロッパ崇拝。 - 在日琉球人の王政復古日記

 

#日活 マイト・ガイ #小林旭 「渡り鳥」VS #西部邁 全学連60年安保~元妻は美空ひばり、仲人は山口組三代目(笑)。 - 在日琉球人の王政復古日記

 

個人では、命をガチンコで賭けてすら、現実を変えるのは難しい。

 

世界中、ハンストで死ぬ奴はほとんどいない、と書いたが、「ほとんど」である。「全部」ではない。中には例外的に本当に死んでみせたハンストもある。

 

1981年、北アイルランドマーガレット・サッチャー首相の時代。

当時のイギリス領北アイルランドは、

イギリス統治を支持するプロテスタントユニオニストと、

アイルランド島統一を支持するカトリックナショナリストの双方、

およびイギリス警察・軍を巻き込んで、

暴動、爆弾、銃撃、暗殺、投獄、リンチ、粛清、血みどろの抗争が続いていた。

イギリスに逮捕されたカトリックナショナリスト武装組織「IRA(アイルランド共和軍)暫定派」の受刑者たちは、

囚人服拒否で裸ですごす「ブランケット・プロテスト」、

部屋中に糞尿をまき散らす「ダーティー・プロテスト」、

挙句の果てに、「ハンガー・ストライキ」を決行する。

そして、IRA暫定派19名中7名、別派のINLA(アイルランド民族解放軍)4名中3名、計10人が【本当に】餓死した。

 

英国政治~実録・仁義なき戦い北アイルランド死闘編~ナショナリスト、リパブリカンVSユニオニスト、ロイヤリスト。 - 在日琉球人の王政復古日記

 

天皇陛下と日本領釜山総督・安重根閣下がニッコリ握手(笑)~エリザベス女王VSシン・フェイン党IRAマクギネス - 在日琉球人の王政復古日記

 

「オレンジのプロテスタント」VS「緑のカトリック」~雅子皇太子妃殿下オランダ国王夫妻お出迎え。 - 在日琉球人の王政復古日記

 

人間は飢餓に落ちたら、どうなるか?

彼らIRA暫定派を題材にした映画「ハンガー」 (2008年)に、 その描写がある。

※多少気持ち悪いのでご注意。

 


映画『HUNGER/ハンガー』本編クリップ

 

最重要の機関である脳味噌に栄養を回すために、肉体の脂肪、筋肉が削られる。

つまり脳味噌が、肉体を喰っていく。骨も内蔵も喰っていく。 皮膚が爛れ、内臓も爛れていく。

それが限界まで行くと、今度は肉体の最低ラインを守るために、逆に肉体が脳味噌を喰っていく。記憶、喜怒哀楽、思考が喰われていく。

そして無表情になり、昏睡して終わる。

 

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同じ「死んでみせる」「自裁」と言っても、

イスラム原理主義者の自爆はスイッチ1つ、時間は数秒だ。

大東亜戦争の特攻隊員も数時間の飛行である。

餓死は数週間かかる。

死の恐怖で心が折れる時間が無限のように続く。耐えられるのは、もはや人間ではない。

 

イギリス首相だから「北アイルランドはイギリス領で当然」「テロリストとは交渉しない」という態度を貫き通したのサッチャーは、その苛烈な政治姿勢で「鉄の女」と呼ばれたが、

彼女を代表とするイギリスと800年間も戦い続けてきた、アイルランド統一のために本当に餓死してみせたアイリッシュナショナリストたちは「何の男たち」と表現すべきか?

 

アルゼンチンの軍人はフォークランド諸島のために餓死する覚悟は無かった。

だから鉄の女は勝つことができた。 

しかし、餓死する覚悟、実際に餓死してみせる人間が1人どころではない集団に勝つなんて、鉄の女でも不可能に近かった。

 

誤解の無いよう明記するが、餓死したからといって、彼らは、マハトマ・ガンジーのような不殺生・無抵抗な善人ではない。相手がプロテスタントやイギリス人ならば、平気でブチ殺してきたテロリストである。

もし核爆弾を渡せば、サッチャーでも覚悟を決めるのに時間がかかると思うが、彼ら餓死者は躊躇なくボタンを押すだろう。

 

ハンストでも、ここまでやったら、確かに政治は動く。

確かに、2019年現在、イギリス、アイルランド両国がEUに加盟して、北アイルランドアイルランド共和国は一つの市場となり、国境はフリーパスになった。ヒトの移動は自由だ。

しかし、それでも自治政府が限界で、いまだに北アイルランドはイギリス領である。アイルランド統一は達成されていない。

 

それは、北アイルランドにいたのが彼らだけではなかったからだ。

IRAアイリッシュナショナリストも相当な狂人だが、対するプロテスタント・イギリス・ユニオニストも輪をかけた狂信者だった。彼らの過激派ロイヤリストも、カトリックを家畜のように切り刻んでいた。

無理をすれば、今度はアルスター・ロイヤリストがもっと派手に大量に人を殺すか、餓死を始めるのである。

 

彼らハンスト餓死者は、21世紀の今でも、イギリスを呪縛している。

「もうゴメンだ」「あんな陰惨な時代はコリゴリだ」というイギリス人、アイルランド人の負の記憶が、イギリスのEU離脱、ブレグジットを大混乱に陥れている。

 

EU離脱なんだから、統一市場を止めるんだから、国境を明確にして、税関を作るしかない。

 

しかし、北アイルランドアイルランド共和国の間に税関を作って、モノの流れを止めることは、アイルランドを引き裂き、ヒトの流れを止めることになる。

アイリッシュナショナリストや、過激派リパブリカン(共和主義者=反イギリス王室)が黙ってない。

 

じゃあ、アイルランドはフリーパスで、アイルランドブリテン島の間に税関を作る、となれば、今度はイギリス万歳のアルスター・ロイヤリスト(王党派=反共和国)が激怒する。

今や、彼らプロテスタント過激派政党の民主統一党(DUP)が、メイ首相の保守党と連立を組んでいる。公明党みたいなもんだ(笑)。北アイルランドの関税同盟残留に絶対反対である。

 

つまり、税関を作ると、もう一度、IRAやアルスター・ロイヤリストが派手に殺し合う、まるでアフガニスタンみたいな状況になりかねない。

 

すでに、やる気マンマンなのだ。

 

北アイルランドで車爆発、関与の疑いで4人を拘束 - BBCニュース

2019/01/21

英・北アイルランドのロンドンデリーで19日に発生した車の爆発事件について、警察は20日、事件に関与したとみられる男たちの身柄を拘束した。拘束されたのは、20代の男2人と、34歳と42歳の男の計4人。
北アイルランド警察は、共和派の反体制組織、アイルランド共和軍(the New IRAによる犯行の可能性を指摘した。 

 

どこかに税関を作るしかない。しかし、どこにも税関を作れない。

どっちかしかない。どっちもできない。イギリス政治は機能不全だ。

 

1981年の餓死者たちは、2019年なのに、今でも「生きている」。

 

乱暴に言えば、辺野古問題で、米軍基地問題で、ハンスト餓死、切腹焼身自殺が起こったら、さすがに政治は動くだろう。

しかし、それは、基地賛成にしろ、基地反対にしろ、北アイルランドみたいな「血みどろ殺し合いの琉球」を覚悟するということだ。

自分を殺せる者は、平気で他人も殺せる。

琉球人同士、さらに日本人も参加して、お互いに殺し合う琉球である。

 

ハンストは、反対派から笑い者になる、死なない「プロレス」が正しい。

ガチンコのハンストは、政治的に自殺することは、他人を殺す導火線になる。

その覚悟がないなら、止めておくべきだ。

 

別の意味でも、「辺野古県民投票」と「EU離脱」そして「アメリカ大統領選挙」はシンクロする。

辺野古県民投票に対して、積極的なのは基地反対派=リベラル、消極的なのは基地賛成派=自民党である。

しかし、基地反対派も、基地賛成派も、イギリスのEU離脱の国民投票アメリカ大統領選挙を他人事だと思っているのか?

事前には、EU残留派が勝つに決まっている、ヒラリーが勝つに決まっている、とほとんどの政治関係者が思っていたのだ。

 

結果は知っての通りだ。

 

イギリス政治もアメリカ政治も、有権者たる国民の「思慮の浅い無責任なその日の気分」で無茶苦茶になった。

情動に流される国民が有権者で、本当に良いのか?という「ポピュリズム=民主主義そのもの」への疑念は正しいのだ。

 

基地反対派は、県民投票で負けたら、辺野古を認めるのか? どうせ抵抗する。

基地賛成派は、県民投票で負けたら、辺野古を中止するのか? どうせ強行する。

どっちの結果が出ても、何も変わらない。何も解決しないのである。

 

辺野古県民投票に反対不参加5市の権利を認めよ!~そうすれば護憲派は憲法改正国民投票を拒否できる(笑)。 - 在日琉球人の王政復古日記