漢語はそのまま漢字で書き、送り仮名の部分はハングル、そして外来語はカタカナ、であるところが興味深い。
これが標準の書式なのかどうか、不勉強で知らないが、日本統治時代の朝鮮人男性の筆によるものだ。
一部では有名なんだろうが、知らない人も多いと思うので、この方面に関心のある方に、ご紹介したい。下記からダウンロードできる。
※ご注意※
ただし、ダウンロードは、この日記を全部読んでから、の方が良いと思う。なぜなら、元が日記なんで、内容が、冗長で、かなり退屈なのだ。
一番下にリンクを張った、毎日新聞記事の抜粋コピペの方が、簡潔で、理解しやすく、面白いと思う。
落星臺經濟硏究所/落星台経済研究所
http://www.naksung.re.kr/xe/index.php?mid=news&document_srl=182118
『日本軍慰安所管理人の日記』(日本語翻訳版) [레벨:24]낙성대경제연구 5822 2013-09-03
近年になって発見された、大東亜戦争真っ盛りの時期、東南アジアのシンガポール・ビルマに滞在していた朝鮮人の日記である。
彼の職業は、日本の新聞風に書けば「飲食店経営者」、ストレートに書けば、軍属扱いの「慰安所」経営者、遊郭のオヤジ、つまりは「女衒」である。
ちなみに、日記のスタンプにある「昭南島」は、大東亜戦争中のシンガポールの名称だ。
アパホテルのような、産経新聞のような、日本の保守派は「大東亜戦争はアジア植民地解放の聖戦だ!」と主張するが、じゃあ、何で、どういう理屈で、解放したはずのシンガポールが、現地のマレー人にとっては全くの外国語である日本語の「昭南島」になったのか? この改名のどこら辺が、民族自立、植民地解放なのか?
満州に農民を送り込み、シンガポールを昭南島に改名した日本が、委任統治を積極推進??? - 在日琉球人の王政復古日記
さて、安秉直、李大根、李栄薫たちが立ち上げた落星台経済研究所とは「韓国ニューライト」の牙城である。
韓国ニューライトというのは、大雑把に言えば、
「植民地近代化論」、朝鮮半島は日本統治時代に近代化した、人口も増えた、所得も増えた、産業の発展した、生活水準も上がった、相対的に、客観的に、評価できる時代だった、
自由市場経済がマトモ、共産主義はクソ、北朝鮮は絶対悪、支那こそ仮想敵国、韓国が組むべきは、多少文句もあるが、相対的にははるかにマシなアメリカと日本、
という立場だ。
日本で言えば、人間の幸せとは、ファンタジーに耽溺することではなく、ちゃんとメシを食えることだ、左翼はダメだ、しかし戦前の日本もクソだ、親米の戦後日本が一番マシだ、という日本経済新聞的ポジションというところか。
朝鮮日報、中央日報のような韓国右翼ナショナリズム(親米・反日)からも、、
ハンギョレみたいな韓国左翼ナショナリズム(親・北朝鮮)からも、
「親日派(チニルパ)」と蔑まれて叩かれる少数派だ。
「帝国の慰安婦」朴教授に無罪判決 ソウル東部地裁:朝日新聞デジタル
2017年1月25日
著書「帝国の慰安婦」で元慰安婦の名誉を傷つけたとして在宅起訴された韓国の朴裕河(パクユハ)・世宗(セジョン)大教授(59)に対し、ソウル東部地裁は25日、無罪判決を言い渡した。問題になった表現は、告訴した元慰安婦を特定していないと判断。執筆の動機も日韓の和解のためで、元慰安婦の名誉を傷つける意図はなかったとした。
朴裕河女史ご本人は、自分をニューライトだなんて全く思ってないだろうが(笑)、
史実や学問への真摯さ、誠実さ、厳格さ、なにより「自分にウソはつかない」という意味で、安秉直、李大根、李栄薫と朴裕河の立ち位置はかなり近いと思う。
呉善花ではなく、辛淑玉でもない~「帝国の慰安婦」朴裕河の不幸~左翼のダンマリ~右翼のヨイショ。 - 在日琉球人の王政復古日記
韓国「左翼ナショナリズム」を批判できない上野千鶴子ちゃん、週刊金曜日~朴裕河「帝国の慰安婦」。 - 在日琉球人の王政復古日記
「日本会議の研究」は扶桑社(フジサンケイの子会社、育鵬社の親会社)。朴裕河「帝国の慰安婦」は朝日新聞出版。 - 在日琉球人の王政復古日記
植民地だろうが、軍事占領だろうが、異民族支配だろうが、歴史は、善悪・正邪ではなく、真偽であり、批判は批判、評価は評価、是々非々だ。
そういう面では、彼ら・彼女らの歴史への姿勢は共感するところ大である。
私は「琉球ニューライト」なのかもしれない(笑)。
朴裕河박유하「帝国の慰安婦」裁判最大のポイントは「無罪」ではなく「数」~「15,000~320,000」は「不明」と同じ。 - 在日琉球人の王政復古日記
ただし、勧めておいてナンだが(笑)、上記ダウンロード、かなり長くて、内容も退屈である。
そもそも、これは執筆者のプライベート日記・備忘録であり、他人に読ませるために書いてるわけじゃないので、毎日毎日ほとんど同じ内容の繰り返しだ。
そして、学問の対象になる文献というのは、だいたいが、こういう退屈なモノだ。
それを丹念に読み込んで、素人にも呑み込みやすい書籍にしてくれるのが、プロの歴史学者なのである。
当時、この日記の発見を記事として取り上げた新聞があった。
産経じゃないよ。毎日である(びっくり)。
しかし、ご注意、残念なことにリンク切れだ。
毎日新聞 東京朝刊 2013年08月07日
毎日新聞 <慰安所>朝鮮人男性従業員の日記発見 ビルマなどでつづる
http://mainichi.jp/select/news/20130807k0000m040125000c.html
404 Not Found. The requested url was not on this server.
「慰安所従業員:日記発見 慰安婦の日常、淡々と 募集の時期は欠落」
http://mainichi.jp/select/news/20130807ddm007040157000c.html
http://mainichi.jp/select/news/20130807ddm007040157000c2.html
http://mainichi.jp/select/news/20130807ddm007040157000c3.html
http://mainichi.jp/select/news/20130807ddm007040157000c4.html
http://mainichi.jp/select/news/20130807ddm007040157000c5.html
http://mainichi.jp/select/news/20130807ddm007040157000c6.html
特に毎日は、良質な記事も多いのに、リンク切れが早いような気がする。
でも「貴重な記事だが、どうせリンク切れになるな」と思ったので、毎日が掲載した日記の抜粋を、コピペして、保存しておいた。
ダウンロードを全部読むのは大変だという方や、だいたいの抜粋で雰囲気を知りたいという方は、下記をご参照。
ただし、毎日新聞の「抜粋」ですら長い(笑)。
しかし、幸運にも、記録好きで筆マメな朝鮮人女衒がいてくれて、歴史学にとっては非常にありがたい話である。歴史というのは、基本は文字データだから、彼のような人間がまさに歴史の証人なのである。
そして、彼自身が、かなり幸運な、いあ強運の持ち主だ。
1944年、アメリカ海軍の潜水艦がウヨウヨ(サヨサヨじゃないよ)している南シナ海を、シンガポールから釜山まで船で移動して生き残れたんだから。魚雷で魚のエサになっていても何もおかしくなかった。
そして、彼の日記も幸運だった。
安秉直みたいなマトモな歴史学者に発見されたからだ。これが韓国反日ナショナリストや、逆に、日本の妄想型右翼の手に渡っていたら、内容がどう書き換えられたか、握り潰されたか、わからない。
さて、この日記から、何を読み取るか?、どう結論付けるか?
慰安婦は、ゼニを稼ぐビジネスか?、それとも民族差別か?女性搾取か?、
単なる民間業者か?、事実上の軍属か?
それは、史実ではなく、あなたの「イデオロギー=好き嫌い」で決まる。
教育から「歴史」という害毒を排除しよう!~歴史好きは精神病である。 - 在日琉球人の王政復古日記
本当に価値ある文献というのは、自分の意見が変わってしまうような文献だ。
というか、自分の意見が、今までのイデオロギーが、変化してしまうような読み方ができる人を、本来の意味で「読者」というのである。「本を読む」とは本来そういうことだ。
(まとめ)昭和銀幕絵巻★慰安婦映画列伝 - 在日琉球人の王政復古日記
もし、自分の好き嫌いを補強するような読み方しかできないのなら、文献はオナニー用のポルノ写真と変わらない。
せっかく時間に耐えて生き残った文献が可哀想だから、読まない方がまだマシである。
もちろん、オナニーは気持ちいいけど(笑)、それは恋愛ではない。
真実の愛が知りたいのか?、射精がしたいだけなのか?、後はあなた次第だ。
長いので、下記へ続く。
《保存資料》★落星台経済研究所낙성대경제연구소『日本軍慰安所管理人の日記』★毎日新聞東京朝刊2013年08月07日 - 在日琉球人の王政復古日記