神仏習合～釈迦やイエスが、オリジナルが正しいのではない。堕落・変質した教えでも、あなたの魂を救済してくれるのなら正しい。

仏教か？神道か？分けることが無意味。神仏習合こそ「日本そのもの」である。

2021/5/26
　国の天然記念物「奈良のシカ」を刃物で傷つけて死なせたとして、文化財保護法違反などに問われた三重県松阪市のとび職、吉井勇人（はやと）被告（23）に対し、奈良地裁は26日、懲役10月、保護観察付き執行猶予3年（求刑・懲役10月）の判決を言い渡した。
　判決によると、吉井被告は2月7日午前2時ごろ、奈良市の奈良公園で、天然記念物のシカ1頭の頭をおののような刃物でたたきつけて死なせた。
　石川理紗裁判官は判決理由で「動物の生命を軽視した残忍で悪質な犯行で、自動車に頭突きされたことに腹を立てたという動機に特段の酌むべき事情はない」と述べた。
　奈良のシカは古くから春日大社の「神鹿（しんろく）」として保護の対象となっている。【林みづき】

奈良で鹿を殺す。

漁師が魚を釣る。

主婦がゴキブリに殺虫剤をシュ。

畜生を殺すという意味では同じだ。生命は同じだ。

いったい何が違うのか？　「意味」が違うのだ。

ゴキブリ殺し、ウシ殺し、クジラ殺し、ネコ殺し、ヒト殺し。 - 在日琉球人の王政復古日記

自然においては、ゴキブリの生命とウシの生命とクジラの生命とネコの生命とヒトの生命には何の違いもない。

人間にとってのみ、ゴキブリの生命とウシの生命とクジラの生命とネコの生命とヒトの生命には違いが生じる。

「(自然界における)生命そのもの」が異なるのではない。
「生命に(人間側の都合で勝手に)付加された意味」が異なるのである。

つまり、人間にとって「生命そのもの」には、何の価値も無い。
人間が勝手にその生命に貼り付けた「意味」にこそ、価値があるのだ。

人間にとって、生命殺害の、何が正常で、何が異常か、を決定するのは、「実際に殺される生命それ自体」ではない。
この殺害が如何なる意味を持つのか、という「人間の価値体系＝文化」の問題なのである。

宗教に特化して言えば、奈良の鹿と、海の魚と、家のゴキブリと、殺した犯人は、価値が異なる。

奈良の鹿は春日大社の「神鹿」だが、海の魚は「神魚」じゃないし、家のゴキブリは「神ゴキブリ」じゃないし、殺した犯人は「神」じゃない。

藤原氏の氏神・奈良の春日大社は、藤原氏の氏寺・大和一国守護・興福寺と表裏一体である。これを「神仏習合」と言う。

話はズレるが、日本人は藤原氏の存在を軽視し過ぎだろう。

古代以降、公家も武家も、日本史に登場する人間は、元をたどれば、皇孫か藤原氏の２系統と言っても過言ではない。平氏も源氏も皇孫であり、それ以外の武士のほとんども藤原氏だ。藤原氏がいなければ、天皇家は全部近親婚になってしまう。現在の御皇室も藤原家の血を色濃く受け継いでいる。

天皇家と藤原氏が日本の両輪だったのだ。

藤原五摂家を天皇家と同じく、皇配家として政治制度として残しておけば、皇位継承が枯渇することもなかった。

話を戻して、日本では仏教と神道が融合した。日本らしい信仰・修験道も生れた。

古くからある神社には寺が付属した。これを「神宮寺」と呼ぶ。

古くからある寺には神社が付属した。これを「鎮守社」と呼ぶ。

興福寺は春日大社の神宮寺とも呼べるし、春日大社は興福寺の鎮守社とも呼べる。

比叡(ヒエイ)山延暦寺と日枝(ヒエ)神社も同じ関係だ。

ハッキリ、インドの釈迦の教えからズレた、不純な仏教である。

しかし、ここに、宗教に対する最大のカン違いが起こる。

釈迦が、宗教として正しいのではない。

今、そこにいる、苦しんでいる衆生が救われる、ことが、こそが、だけが、宗教として正しいのだ。

人が救われるのならば、カトリックでもプロテスタントでもスンニ派でもシーア派でも南無阿弥陀仏でも南無妙法蓮華経でも、その教えが正しい。

世界で最初にダルマを説いた釈迦が一番正しいんだ！、後続の宗派は全部劣っている！、という理屈で、パーリ語文献から釈迦正統の教えを引っ張って来ても、テーラワーダ仏教とドヤ顔されても、その正統の教えであなたが救われないのなら、もちろん「宗教学」としては価値があっても、「宗教」としての価値はない。

科学を考えて見よ。

紀元前４世紀のアリストテレス、１７世紀のガリレオ、１８世紀のニュートン、２０世紀のアインシュタイン、いずれ劣らぬ天才だが、古いほど正しいのなら、アリストテレスが一番正しいことになる。

しかし、科学として一番総合的・網羅的に整合性があるのは、一番新しいアインシュタインだ。

科学は新しいほどバージョンアップされた最新版であり、科学として正しい。

「宗教だけは古いほど正しい。オリジナルが正しい」というのは、カン違いなのである。

もしも古い方が正しいのなら、釈迦より、バラモン教の方が正しいことになる。

もちろん、宗教は科学ではない。新しい宗教ほど正しいわけではない。しかし古いほど正しいこともない。新・旧は宗教の価値基準にはならないのだ。

変質した不純な仏教だとしても、神仏習合で救われるのならば、神仏習合が正しい。

もちろん、涅槃で安んじる釈迦は、下界の東夷蓬莱島を見て「こんなのオレの教えじゃない。バラモン教の日本版じゃん」と苦笑するだろうが、日本人にとってはオリジナル釈迦より、神仏習合の方が救われるんだから、しょうがない。

カトリックも同じで、ユダヤ人イエスの思想からはかなりズレている。

ユダヤ教の「ヘブライズム」とギリシャ・ローマの「ヘレニズム」を融合させたヨーロッパ版「神仏習合」だ。でも、それで救われるのなら、それで正しい。

しかし、カトリックは不純だ！と原理主義運動・プロテスタントが出て来る。

日本も同じで、江戸時代の国学、そして明治維新で、神道優位、神仏分離、廃仏毀釈が爆発する。

明治初期、天下の興福寺も廃寺寸伝まで衰亡した。

明治維新はプロテスタントなのだ。昭和維新が福音派である。

仏教は日本において宗教的に変形した。神道も仏教の影響で宗教的に変形した。

しかし、明治維新で寺社は政治的に変形した。

神仏習合が宗教的変形だとすれば、われわれが今見ている、明治以降の寺社は、廃仏毀釈でもう一度政治的に変形した寺社である。

令和の鹿殺しも、明治の廃仏毀釈の副産物だ。

春日大社の神鹿も、興福寺が権威を失えば、ただの畜生であり、野良犬やゴキブリと変わらない。

江戸時代以前なら、神鹿を殺めるなど、神仏を恐れぬ天魔の所業である。

僧兵に取っ捕まって、興福寺で晒し者にされ、斬首である。家族も家屋破却のうえ、奈良追放だ。

それなのに、令和の御代だと保護観察で済むのは、欧米直輸入の人権思想と、廃仏毀釈による宗教権威解体のお陰である。

御朱印＆改元で過熱転売２７万円配布取りやめも（1/2ページ） - 産経ニュース

2019/5/15
　神社や寺に参拝した証しとして押印される「御朱印（ごしゅいん）」が、インターネット上で転売されている。特に改元に関するものには高値がついており、中には２０万円以上で取引されるケースも。本来は信仰にかかわる品である御朱印が安易に収集され、売買されている現状に、御朱印の配布自体を取りやめる神社も出始めている。（大渡美咲、千葉元）
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相次ぐさい銭泥棒…防犯カメラ奏功逮捕の男は容疑否認 | カナロコ by 神奈川新聞