在日琉球人の王政復古日記

NATION OF LEQUIO

#風立ちぬ #ユーミン #松任谷由実 ひこうき雲VS地上の星 #中島みゆき ~ #白井聡 #安倍晋三 #反知性主義


ひこうき雲 - 荒井由実(松任谷由実)

1973年

 

芸能界にもアベノショック…松任谷由実、会見見て「泣いちゃった。切なくて」 - 芸能社会 - SANSPO.COM(サンスポ)

2020.8.29
 安倍晋三首相が辞任を表明した28日、芸能界から驚きの声が上がった。
 安倍夫妻と親交が深いシンガー・ソングライター松任谷由実(66)はニッポン放送松任谷由実のオールナイトニッポンGOLD」で、「テレビでちょうど(会見を)見ていて泣いちゃった。切なくて」と思いを吐露。安倍氏とは「私の中ではプライベートでは同じ価値観を共有できる、同い年だし、ロマンの在り方が同じ」と明かし、「辞任されたから言えるけど、ご夫妻は仲良しです。もっと自由にご飯に行ったりできるかな」などとねぎらった。

 

話題に乗り遅れたが、政治にとって重要な話だ。

 

松任谷由実が安倍夫妻と共有する「同じ価値観」「ロマンの在り方」とはいかなるモノなのか? それは右翼的、愛国的なモノだろうか?

 

ユーミン批判で物議の白井氏 投稿削除「要するにがっかり」「反省いたします」/芸能/デイリースポーツ online

2020.09.02
 安倍晋三首相の辞任会見を巡り、首相夫妻と仲が良いという歌手・松任谷由実がラジオ番組で「会見を見て泣いた」と語ったことに、政治学者の白井聡氏がフェイスブックに「荒井由実のまま夭折すべきだったね」などと記して物議を醸した件で、白井氏は1日付のフェイスブックに「反省いたします」と記した。
 白井氏は「声明」として、「松任谷由実氏についての私の発言が、物議をかもしているということですが、削除いたしました」と伝えた。
 そのうえで「私は、ユーミン、特に荒井由実時代の音楽はかなり好きです(あるいは、でした)。それだけに、要するにがっかりしたのですよ。偉大なアーティストは同時に偉大な知性であって欲しかった」と投稿に関する経緯を記した。
 「そういうわけで、つい乱暴なことを口走ってしまいました。反省いたします」としている。

 

白井 聡/Shirai Satoshi(新刊『武器としての「資本論」出しました!) on Twitter: "先日の私のフェイスブック上での発言につきまして、多くのご批判をいただきました。人の生命を軽んじる発言、暴力的な発言であるとのご指摘を受け、自身の発言の不適切さに思い至りました。深く反省をしております。"

 

白井先生は、レーニンには詳しいけど、J-POPは聞き間違えたようである。

 

私も音楽は苦手、松任谷由実もほとんど聴かないから詳しく知らないが、知ってる範囲で、確かに彼女の歌に左翼的要素は皆無だが、右翼的、愛国的要素も皆無に近いと思う。

彼女の歌に貧者も敗者も弱者も出てこない。しかしナショナリズムも薄い。

歌のほとんどが日本資本主義勝ち組賛歌だ。つまり「バブルの伝道師」「ネオリベの歌姫」なのだ。

その彼女が、同じ価値観を共有できる、ロマンの在り方が同じ、ということは、【彼女から見て】、安倍&アッキー夫妻の本質は、右翼・愛国よりも、ネオリベだということだ。

 

誤解があるが、「ネオリベ」は右翼でも愛国でも保守でもない。独立した対立する政治思想である。

 

さらに誤解があるが、最近はネオリベが単なる悪口になってるが、愛国が単なる悪口ではなく、社会主義が単なる悪口でないように、ネオリベは悪口ではない。何よりも自由を貴ぶ重要な思想なのだ。

 

ネオリベVSソシアルVSコンサバ~現実的な政治路線は「3つ」しかない。あるいは「3つ」もある。 - 在日琉球人の王政復古日記

 

この3つの政治思想が正三角形を形成する。

https://manapedia.jp/images/files/3/1/31005d05c9b22711d17af943097071ad7946ccc39a46d59b86aed61628b2d729.jpg

A.ネオリベ(自由主義):個人重視。資本主義と言い換えても可。
B.ソシアル(社民主義):民衆重視。左翼、リベラルと言い換えても可。
C.コンサバ(保守主義):国家重視。右翼、民族主義と言い換えても可。

 

ただしネオリベにも「格差社会」という副作用はある。それはコンサバにも「排外主義」、ソシアルにも「自由の窒息」という副作用があるのと同じである。

みんなが100%ハッピーなんていう政治思想はない。 

 

ほかの人にはわからない あまりにも若すぎたと 
ただ思うだけ けれどしあわせ 

ひこうき雲

 

他人にはわからない。関係ない。国家(コンサバ)も民衆(ソシアル)も関係ない。ただただ個人(の自由)があるだけ。まさにネオリベである。

 

単なる悪口として誤用されてる、と言えば最近気になるのが、白井先生も使う「反知性主義」である。

まるで「バカ」の言い替え・高級表現みたいに使われるが、これも間違い。

 

反知性主義は、キリスト教思想を淵源とする、「知性」という特権を暴力的に振りかざす(知性を身に着けるだけのカネと余裕を持った)上流階級エリートの上から目線の専制支配に反発する「持たざる者たち」の反逆なのであって、革命思想にも近い。ズバリ民主主義だって反知性主義だ。

 

《馬鹿映画列伝》「まぼろしの市街戦」(1966年)~ヨハネ福音書「言葉は神」VS創世記「善悪を知る木」。 - 在日琉球人の王政復古日記

 

《馬鹿映画列伝》「26世紀青年/IDIOCRACY」(2006年)~論語VS老荘~イワンの馬鹿、ポルポト、 #反知性主義 - 在日琉球人の王政復古日記

 

映画「アレクサンドリア」(2009年)その1~イスラム国ISISとトランプ大統領~偶像破壊、レーニン像、朝鮮神宮。 - 在日琉球人の王政復古日記

 

映画「アレクサンドリア」(2009年)その2~奴隷制度・格差社会のローマ帝国VS信者平等・ #反知性主義 の原始キリスト教。 - 在日琉球人の王政復古日記

 

アメリカ憲法修正第2条VSオバマケア~小さな政府VS大きな政府~ #反知性主義 VS設計主義~神VS理性。 - 在日琉球人の王政復古日記

 

民主主義は #反知性主義 である~予定説VS異言~ワンネスVS三位一体~宗教は学問・理屈ではない。信じることだ。 - 在日琉球人の王政復古日記

 

「持てる者」安倍ちゃんは、「持たざる者たち」の思想・反知性主義から程遠いのである。

 

同じく、東京の中産階級以上の人間じゃないと作れない/実感できない歌、といわれた「持てる者」ユーミン的世界を描いた80年代サブカルチャー&バブルを象徴する映画「私をスキーに連れてって」(1987年)。

  


恋人がサンタクロース

1980年

 

監督は狂乱バブル時代を象徴する存在・ホイチョイ・プロダクションズ馬場康夫。お坊ちゃん御用達学校・成蹊で安倍ちゃんの同期だった友人である。

安倍昭恵夫人は有名お菓子屋さんのご令嬢で聖心出身。

ユーミンは東京郊外の中産階級出身で多摩美卒。

安倍ちゃん、ホイチョイ、アッキー、そしてユーミン。彼ら彼女らはみんな同じ時代、同じ世界で、同じ空気を吸っていたのだ。

 

ホイチョイの「私をスキーに連れてって」に右翼や愛国の要素は皆無である。

つまり(松任谷由実にとっての)安倍ちゃんの本質は、「60年安保岸信介の孫」ではなく、「東京ブルジョアのお坊ちゃん」なのだ。

松任谷由実ホイチョイ-安倍ちゃん夫妻」が共有する価値観とは、「靖国神社」ではなく、「苗場スキー場」なのである。

 

軽井沢スキーバス事故~原田知世と広末涼子の20年~銀座の若大将→私をスキーに連れてって→バブルへGO!! - 在日琉球人の王政復古日記

 

東京裁判より、こっちの「敗戦」の総括を!~映画「バブルへGO!!タイムマシンはドラム式」(2007) - 在日琉球人の王政復古日記

 

映画「バブルへGO!! タイムマシンはドラム式」~「中国共産党が失敗すれば、日経平均も暴落する」という当たり前。 - 在日琉球人の王政復古日記

 

バブル後/ネット前~ピチカート・ファイヴ「東京は夜の七時」(1993)~留守番電話と潰れたレストラン。 - 在日琉球人の王政復古日記

 

同じく松任谷由実が主題歌を歌うジブリ映画「風立ちぬ」(2013年)は、大東亜戦争当時の飛行機エンジニアの話だ。

じゃあ、右翼なのか?愛国なのか?といえば、主人公は政治に関心はなく愛国に関心はなく、ただただひたすら飛行機が好きなエンジニアである。

もちろん反戦平和でもない。飛行機が作れるなら戦闘機でもいいのだ。

さらにお金儲けでもない。お金が欲しいから飛行機を作るわけでもない。

要はオタクなわけだ。

 

今やってるNHK朝ドラ「エール」の主人公と同じだ。

戦時中なら軍事歌謡を作る。戦後になったら平和の歌を作る。作曲が好きなのであって愛国もなければ反戦平和もない。

 

右翼でもないし、左翼でもない。国家もなければ、弱者もない。ただただ個人の自由と才能がすべてに優先するネオリベ思想なのである。

 

1987年「私をスキーに連れてって」の後、狂乱バブルは崩壊し、日本経済が焼け野原になった2000年からNHKプロジェクトX~挑戦者たち~」が始まる。

歌うは、松任谷由実のライバルと自他ともに認める中島みゆきだ。

 


地上の星 / 中島みゆき [公式]

2000年

 

中島みゆきの歌は、松任谷由実とは全く正反対で、バブルもブルジョアも苗場スキー場も出てこない。ほとんどすべてが貧者・敗者・弱者つまり「持たざる者たち」の歌である。私の分類で言えば「ソシアルの歌姫」となる。

 

この空を飛べたら(中島みゆき/加藤登紀子)~「天下」を失った恐竜は、鳥となって「天上」に逃げた。 - 在日琉球人の王政復古日記

 

アインシュタインよりディアナ・アグロン(HKT48)~「化粧」中島みゆき~近代200年闘争「頭VS尻」 - 在日琉球人の王政復古日記

 

誰のせいでもない雨が~地震、台風、噴火、そして【原爆】~日本は「和御霊・荒御霊」八百万の神の国。 - 在日琉球人の王政復古日記

 

NHKプロジェクトX~福岡博多陥没復旧~トランプ大統領ラストベルト~天皇陛下生前退位~相模原障害者殺人~電通鬱病過労死自殺。 - 在日琉球人の王政復古日記

   

NHKプロジェクトX」とジブリ風立ちぬ」には共通点がある。

どちらもモノ作りエンジニアの物語なのだ。

ただし同じモノ作り、同じエンジニアの物語だが、テイストは異なる。

風立ちぬ」は自分が作りたいから作る。誰かの役に立つとか、ビジネスとしてメシを食うとかいうインセンティブは乏しい。

プロジェクトX」は、誰かの役に立つため、ビジネスとしてメシを食うために作る。

風立ちぬ」はブルジョアのオタク趣味だが、

プロジェクトX」は貧者・敗者・弱者が生きるためのリベンジマッチである。

 

風の中のすばる 砂の中の銀河 みんな何処へ行った 見送られることもなく 
草原のペガサス 街角のヴィーナス みんな何処へ行った 見守られることもなく 
地上にある星を誰も覚えていない 人は空ばかり見てる 
つばめよ高い空から教えてよ 地上の星
つばめよ地上の星は 今何処にあるのだろう 

地上の星

  

これは、天上でなく地べたで必死に頑張って働いてきた名もない一般庶民、貧者・敗者・弱者への応援歌だ。

安倍ちゃん嫌いで反ネオリベの白井先生は、ネオリベの歌姫・荒井由実ではなく、ソシアルの歌姫・中島みゆきを愛聴すべきだったのだ。

 

プロジェクトX」は貧者・敗者・弱者への応援歌という意味でソシアルである。自由市場経済ネオリベ要素は皆無だ。

ただし。

地上の星」には、松任谷由実恋人がサンタクロース」にはカケラもない、コンサバ要素=ナショナリズムが濃厚にある。

貧者・敗者・弱者、労働者への応援歌は、同じく貧者・敗者・弱者である今もジャングルや海底を彷徨う靖国の英霊の鎮魂歌にもなる。

 

零戦の特攻隊員 大和の機関士 みんな何処へ行った 見送られることもなく 
ミッドウェイの空母 ガダルカナルの歩兵 みんな何処へ行った 見守られることもなく
土に還った英霊を誰も覚えていない 戦後日本人はアメリカばかり見てる

 

上の三角形で言えば、中島みゆきは、基本的にソシアル(点B)な存在である。しかし、そのあまりに徹底したアンチ・ネオリベ(辺BC)気質は、何かの拍子にコンサバ(点C)方向へ誘引されやすい面がある。

 

同じ東京セレブ同士、松任谷由実が皇族のお召しを受けて葉山御用邸那須御用邸で歌を披露する場面は容易に想像できる。

しかし彼女が靖国神社で歌う姿は想像がつかない。

そもそもどの曲を歌えばいいのか? 「恋人がサンタクロース」も「中央フリーウェイ」も「ルージュの伝言」も歌詞は日本語だけど、護国の英霊たちには内容が異次元過ぎて(笑)いったい何を歌ってるのか?サッパリ意味不明だろう。

 

対して中島みゆきの「地上の星」「時代」「ファイト」永久欠番」には冥界の英霊たちも嗚咽・号泣すると思う。怨念の声なき声を代弁する依代中島みゆきの歌声は靖国神社に相応しい。

しかし中島みゆき葉山御用邸那須御用邸にお召しを受けることはないだろう。御前で歌える歌がない。

 

飛行機エンジニアは自分が空を飛ぶわけではない。思いだけが軽やかに空を駆けていく。「ひこうき雲」はいつかは消えるだろうが地上に墜落することはない。

彼の設計した零戦の特攻隊員は実際に空を飛ぶが永遠ではない。最後は必ずアメリカ軍に向かって墜落して「地上の星」となるのだ。

 

「空に憧れて 空をかけてゆく」と青空を見つめる松任谷由実

「地上にある星を誰も覚えていない 人は空ばかり見てる」と糾弾する中島みゆき

 

風立ちぬひこうき雲松任谷由実

プロジェクトX地上の星中島みゆき

見事なまでのイデオロギー対立である。

 

白井先生と同じく安倍ちゃんが嫌いな皆さんにとっては、ひこうき雲を追いかける松任谷由実より、地上の星の怨念を代弁する中島みゆきの方がある意味ではるかに危険な歌姫かも知れない。

 

J-POP安保闘争~ #ユーミン #松任谷由実 VS #中島みゆき ~ #長渕剛 VS #桑田佳祐 ~ #武田鉄矢 #松山千春 - 在日琉球人の王政復古日記

 

J-POP三国志~ #ユーミン #松任谷由実 VS #中島みゆき ~ #ジョニー大倉 VS #矢沢永吉 ~ #忌野清志郎 #湘南乃風 - 在日琉球人の王政復古日記

 

この空を飛べたら(中島みゆき/加藤登紀子)~「天下」を失った恐竜は、鳥となって「天上」に逃げた。 - 在日琉球人の王政復古日記

 

アインシュタインよりディアナ・アグロン(HKT48)~「化粧」中島みゆき~近代200年闘争「頭VS尻」 - 在日琉球人の王政復古日記

 

#SEALDs 2015年渋谷スチャダラパーVS全共闘1969年新宿フォークゲリラ~「政治」は勝ち続け、「流行歌」は負け続ける。 - 在日琉球人の王政復古日記

 

沖縄はもう十分。 #アイヌ にこそ慈悲深き大御心を!~在位30年記念式典天皇陛下作詞皇后陛下作曲 #琉歌 #三浦大知 - 在日琉球人の王政復古日記

 

左翼な桑田佳祐がイヤなら、愛国の長渕剛がいるじゃないか(笑)~ミュージシャンは原理的に「リベラル」である。 - 在日琉球人の王政復古日記

 

新富士駅曼荼羅~日蓮・創価学会VS長渕剛~昭和の「大石寺登山」から、平成の「オールナイトライブ」へ。 - 在日琉球人の王政復古日記

  

#音楽に政治を持ち込むなよ ~ブルース・スプリングスティーン「ボーン・イン・ザ・USA」VSシルヴェスター・スタローン「ランボー」 - 在日琉球人の王政復古日記

 

ハンフリー・ボガート「カサブランカ」VSライザ・ミネリ「キャバレー」~モロッコに響くフランス国歌「ラ・マルセイエーズ」 - 在日琉球人の王政復古日記

 

ポスト君が代~日本《新》国歌~「学生節」(植木等)、「昭和ブルース」(天知茂)、「傷だらけの人生」(鶴田浩二)。 - 在日琉球人の王政復古日記

 

ポスト君が代~日本《新》国歌~「AFTER'45」(石橋凌/A.R.B.)~狩撫麻礼「ア・ホーマンス」「オールド・ボーイ」 - 在日琉球人の王政復古日記

 

平成30年日米歌合戦~ #RADWIMPS #HINOMARU VS #ChildishGambino #ThisIsAmerica ~真の愛国心とは何か? - 在日琉球人の王政復古日記

 

昭和平成歌合戦~ RADWIMPS HINOMARU / 亜無亜危異 東京イズバーニング / FUCK YOU音頭 ~表現の自由(笑) - 在日琉球人の王政復古日記

 

祀られぬ女性の靖国歌謡~昭和14年「九段の母」~昭和29年「岸壁の母」~昭和32年「東京だョおっ母さん」。 - 在日琉球人の王政復古日記

 

お笑い政治論争(5) #ウーマンラッシュアワー VS日本語ラップの始祖川上音二郎、壮士節演歌師添田唖蝉坊。 - 在日琉球人の王政復古日記